OneNDA https://one-contract.com NDAは、ひとつのかたちに。 Thu, 31 Mar 2022 04:01:59 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9.4 【ランチタイムセッション】「OneNDA」とは何か https://one-contract.com/webinar/2022-03-31/ Wed, 16 Mar 2022 02:54:04 +0000 https://one-contract.com/?p=184

NDAは、ひとつのかたちに。 2020年8月開始のプロジェクト「OneNDA」は 同年11月の日経新聞の一面にも掲載されたことで一層注目を集めています。 新しい形の秘密保持契約「OneNDA」がどのようなものであるか、す […]

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NDAは、ひとつのかたちに。

2020年8月開始のプロジェクト「OneNDA」は 同年11月の日経新聞の一面にも掲載されたことで一層注目を集めています。 新しい形の秘密保持契約「OneNDA」がどのようなものであるか、すべて解説いたします。

開催概要

  • 対象者
    • OneNDA参画に興味をお持ちの方
    • メディアの方
  • 開催日時:3月31日(木) 12:00〜12:45
  • 会場:Zoom(オンライン形式)にて開催
  • 参加:無料
  • 定員:100名
  • 主催:株式会社Hubble

本セミナーの内容

  • OneNDA の取り組みの概要
  • OneNDA の具体的なスキーム
  • コンソーシアムに参加するための方法
  • 今後の展開
  • 質疑応答

講師プロフィール

酒井智也(株式会社Hubble取締役CLO)

弁護士(67期/第二東京弁護士会所属)。2013年慶應義塾⼤学法務研究科(既習コース)卒業後、同年司法試験合格。東京丸の内法律事務所でM&A、コーポレート、スタートアップ支援・紛争解決等に従事。18年6⽉より、Hubble取締役CLO(最高法務責任者)に就任。

お申し込みはこちら

本ウェビナーは終了致しました。
次回の講演をお待ちくださいませ。

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OneNDAは、よりビジネスの遂行や社員にフォーカスする方向へ、考え方を変えていくきっかけになる。 https://one-contract.com/cases/nestle/ Thu, 16 Dec 2021 08:43:29 +0000 https://one-contract.com/?p=68

今回は、「OneNDA」プロジェクト(以下「OneNDA」)にご参画いただいたネスレ日本株式会社 法務部長 美馬耕平様に、参画の理由や背景、契約業務のこれからについてお聞きしました! OneNDA導入に関して不安点はなか […]

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今回は、「OneNDA」プロジェクト(以下「OneNDA」)にご参画いただいたネスレ日本株式会社 法務部長 美馬耕平様に、参画の理由や背景、契約業務のこれからについてお聞きしました!

OneNDA導入に関して不安点はなかった

——OneNDAを知るきっかけと、知った時にどのような印象をお持ちになりましたか?

 きっかけは、当時、弊社の法務部門でDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めており、様々なデジタル化への取り組みや業務効率化についての情報を得ようとしていました。
その中で、弊社がHubbleユーザーでもあったことから、Hubbleが発信しているメルマガ等のニュースで拝見して、知りました。
そして、OneNDAのアイディアそのものを知った瞬間にこれだと思い、参画したいと考え、統一ポリシーの内容を検討し、すぐに参画を決めました。弊社の本店所在地が神戸市のため、裁判管轄が東京であることは気になりましたが(笑)

 ——法務の立場でDXの取り組みをしてく中で貴社は具体的にどのような取り組みをしていましたか?

当初、私が個人的に新しい情報を取りに行く姿勢で法務部門のDXに取り組んでいましたが、最近になって全社的に多方面でDXを進める取組みを行なっております。
もともと、機械に任せられる部分については、機械に任せてしまった方が楽であり、正確であると思っていたので、自分自身の処理能力を過信せず、利用できるシステムがあればシステムに頼りたいというところがありました。
また、「ビジネスの成功を実現させる法務部を作りたい」と思っているので、法律の知識を蓄えるだけではなく、よりビジネスの方に寄り添い、理解していく姿勢をもちたいと考えています。そして、そのためにはビジネスのことを考える時間が必要です。他方で、法務部門はコスト部門だと一般に考えられているので、人を増やすのは難しい側面があります。そうであれば、システム導入を進めて、業務効率化を行い、考える時間を作る必要があると考えました。
法務部長の職についたときからデジタル化を進めることは当たり前のことに感じていて、ひとり突き進んでいました。

——OneNDAの仕組み(コンソーシアムに参画する企業同士に統一的なルールが適用される仕組み)に対してリーガル的な側面から不安やネガティブなところはありませんでしたか?

法務部内に話した際にも、経営層に話した際にも、不安点は出なかったですし、具体的に解消しなければいけないことや問題になるようなところはなかったです。また、リーガルテックベンダーであるHubbleが行なっているのだから問題がないという側面はありました。
強いていうなら、今までと違うことをすることに対する漠然とした不安感はなくはなかったです。また、仮に裁判になった場合に、裁判所がOneNDAによる合意の成立を認めたというケースがまだないので、その点は理論的にはリスクとして考えられるのかとは思いました。ただ、そのリスクはほとんどないと理解しているので特段問題だと感じたところはなかったです。

——顕在化したリスクのインパクトの大きさやビジネススピードを考慮した結果、OneNDA参画のメリットが大きいと判断されたということでしょうか?

弊社は非上場企業でありアクティビストの目が光っていませんし、例えば金融関係のように監督・官庁がいない企業ですので、ビジネスの進め方は比較的規制が厳しいものではありません。そのため、リスクとビジネススピードなどの利点を総合的に考慮した判断となりました。

OneNDAはNDAの最も効率的な方法

——NDAのレビューはAIによる効率化もありますが、OneNDAと比較して違いを感じられますか?

弊社では契約書のAIレビューを導入していますが、どちらが優れているという比較はしておりません。
AIレビューは、弊社の立場に立って自社を守るスタンスでレビューをしてくれます。ただ、ややこしい契約や重要度の高い契約の場合、人の目で確認する必要がありますが、AIが提案したものを確認する時間を含めてもレビュー時間が短縮され効率化されていると感じています。
OneNDAは重要なポイントが限定されており、コンソーシアムのように人間の関与をほぼゼロにしますので、NDAに関しては最も効率的な方法であると感じていますし、同時に、ヒューマンエラーを減らすという意味も含めて、理想的なものだと思います。

——コンソーシアムのようなスキームでNDA以外の契約類型もカバーしていくことは可能だと思いますか?

コンソーシアムをベースに合わせて、業界・業種による契約書の特別なところだけおさえる方法は可能だと思います。
このコンソーシアムに加盟していれば、何もする必要がないというところまで広がっていき、日本国内、ひいては全世界で、このコンソーシアムで基本的な部分9割を満たし、残りの特殊・特別な1割があれば、その点はお互いのルールでカスタマイズするようになっていくのではないでしょうか。
弊社は法務部門から社内へOneNDAに加盟していることを開示しているので、突き詰めると秘密保持の意識づけにもなります。

——美馬様の視点でこういうシステムやリーガルテックはどうかなどのアイディアはありますか?

法務部門が社内外において、ビジネスの遂行において関係を持たなければならない時に、プラットフォームになるアプリないしは専用ページにアクセスするだけで完結するものがあればいいと思います。
例えば、調達、相談、契約、支払い管理などが一つのプラットフォームでできるなど、自社に合ったものが揃っていると理想です。
弊社では現在、契約書のバージョン管理をHubbleで行った後のフローを繋いでいくなど、複数のLegal Techの間を繋いでいくアプリを開発しています。
OneNDAも人間の目で加盟しているかチェックしている状況ですので、アプリで自動的にできるようにしていきたいですね。

OneNDAとテクノロジーを利用してやるべきことに集中する

——貴社の法務部の魅力や掲げられているものを教えていただけますか?

私自身の中では、目的や規範など文字や形にしているものはあります。
法務部門の目的は、ビジネス、これはもちろん事業部門だけでなく間接部門も含みますが、その成功を実現すること、そして、そのことが様々な方のGood Lifeに繋がっていくことを意識しています。つまり、法務部門も、ネスレ日本の信条である“Good Food, Good Life”の実践のために活動しているという意識です。

——日々の業務や視点など、Purpose(目的)が日々の業務に落ちているところはどういうところでしょうか?

全てのレビューをする際、この部分はビジネスマターだから知らないではなく、時間の許す限り注目し、これでいいのかを議論したり、この言い回しでいいのかなどの問題提起や提案をします。
現実には、なかなか理想とするだけの時間がありませんが、だからこそ、そのための時間を作ることが重要であると考えています。

——ビジネスの初期段階でリーガルが介入する仕組みが社内でできていたということでしょうか?

現状は体制作りが難しく仕組み化できていません。ですが、有用なアドバイスすることにより法務部がいた方が良いという感覚を広めたいと思い、新規事業やサービスの検討が始まる際には、早い段階で介入したいという要望は出しております。
Eコマース(通販)部門は実際に体制としてできており、リーガルコントローラーとしてビジネスについてチェックが早急にできるよう同部門専任のスタッフを常駐しています。
ビジネスに関する相談や問題行動のチェック、早急なレビュー依頼などにも対応ができるよう、ビジネスの初期段階から深く関わる体制作りを目指しております。

——法務部門の効率で人の手をかけず、やるべきことに集中するためにテクノロジーやOneNDAを利用していく意識が美馬様にあるのだと感じました。

AIが流行り出した時に弁護士や法務部門は仕事がなくなると言われていましたが、OneNDAの取り組みが始まる前までは、秘密保持契約が「作業」だと思われていませんでした。
相手がOneNDAに加盟しているのか確認をする、もしくは自動化できれば相手の社名を入れればAIが確認してくれるということは、秘密保持契約はもはや「作業」ということになると思いますが、今後テクノロジーが進んでいけばそのようなことが増えると思います。
効率化によって生まれた時間を、ビジネスの成功にフォーカスし、そのための考える時間に充てる、もしくは家族と過ごすとか趣味とか、自分自身のための時間に充ててもいいのではないでしょうか。
ちなみにOneNDAを広めるための取り組みとして弊社では、自社の秘密保持契約書の1枚目ヘッダーにOneNDAに加盟していることとURLを載せて相手に送っています。
そうすることで、相手方がOneNDAに加盟していた場合、NDAをレビューしたり押印したりする前に気付いてもらうことができ、加盟している者の間で不要な契約締結の手間をとってしまわないようにできるのではないかと考えています。

——法務部門の中には、「NDAには契約書レビューの基本の”き”がNDAのチェックである」、「自分たちでしっかりレビューできるようになって法務パーソンとして独り立ちできるのだ」という見方もあるかと考えることもできそうですが、この辺りはどのようにお考えでしょうか?

様々考え方は分かれる点だと思います。私自身、法務部門の伝統を気にせず効率化を推進したいという考えがありますが、自分の考えだけが正しいと思っていません。
NDAが基本の”き”であるとして教えられるような、おそらくは多数の法務部員を擁する伝統ある大企業であると思いますが、そのような人材や時間などのリソースに余裕のある法務部門は信用できますし、憧れや尊敬の念を持っています。が、そうではない立場からすると、どうしても合理性の追求を考えてしまい、OneNDAの取組みは非常に合理的であると考えてしまいます。

——組織規模にもよりますが、OneNDAのような取り組みや参画企業が増えて業界的にスタンダードになっていけば、大企業にも徐々に広まるのではないかと考えています。

例えば電子契約ではまさにその流れが起こっているのではないでしょうか。コロナウィルスの拡大により企業規模に関わらず出社するのが難しい状況が続いています。
極端ではありますが、取引を始めるにあたり、大企業だから取引をしようというのではなく、あの企業と取引する場合は紙の作業が発生して社員が毎日出社しなければならないので取引はできない、ということもあるかもしれません。
OneNDAのような取組みは、伝統的なやり方を変えていないから優れているという考えから、効率的にDXを進めているのか、社員が出社しなくてもいい状況になっているのかなど、よりビジネスの遂行や社員にフォーカスする方向へ、考え方を変えていくきっかけになると思っています。

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美馬様にもご登場いただいたOneNDAウェビナーの書き起こしを公開中です!ぜひご覧ください。

https://one-contract.com/webinar/2021-03-24-report/

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契約書はなるべくモジュール化・ひな形化したい。そのためにOneNDAができること。 https://one-contract.com/cases/wantedly/ Thu, 09 Dec 2021 07:24:00 +0000 https://one-contract.com/?p=37

今回は、「OneNDA」プロジェクト(以下「OneNDA」)をローンチ後すぐにご参画いただいた、ウォンテッドリー株式会社コーポレートチーム・法務担当(取材当時)弁護士の植田貴之様に、参画の理由や背景、契約業務のこれからに […]

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今回は、「OneNDA」プロジェクト(以下「OneNDA」)をローンチ後すぐにご参画いただいた、ウォンテッドリー株式会社コーポレートチーム・法務担当(取材当時)弁護士の植田貴之様に、参画の理由や背景、契約業務のこれからについてお聞きしました!

OneNDAは契約書のモジュール化の第一歩

——本日は宜しくお願い致します! まずは、どこでOneNDAをご存知になりましたか?

構想自体は以前から酒井さん、早川さんとの雑談の中で聞いており、その後のプレスリリースでローンチを知りました。もともと興味を持っていたので、ローンチ後すぐに参画させて頂きました。

——具体的には、OneNDAのどのような点について興味をお持ちになりましたか?

契約業務を効率的に行うために、契約書はなるべく利用規約のようにモジュール化・ひな形化したいと考えていました。その中でもNDAは、契約の条件の変数が比較的少ないため、モジュール化しやすい類型だと考えていました。OneNDA秘密保持ポリシーという統一規格(以下「統一ポリシー」)のもとで秘密情報をやり取りすることも、契約書のモジュール化の第一歩だと思っています。

——OneNDAのような、第三者が設定した利用規約の内容が当事者間の合意内容に自動的に組み込まれるという仕組みについては、いかがでしょうか?

公平な第三者が合意内容を策定した方が、納得感を感じやすく合意しやすい場面があると思っています。実際、NDAの交渉において、経済産業省が提供するひな形の内容を提案すると合意に至るケースも多いです。
一対一で交渉をしていると、どうしても自社に有利なように契約条件を設定したくなりますし、そこで法務のエゴが出てしまうケースもありますが、ある程度客観的な内容を第三者が提供するという仕組みは、個人的には良いものだと考えています。

効率的な組織体制の構築という観点から、OneNDAが役立つこと

——契約業務の効率化というお話が先ほど出ましたが、植田様にご登壇いただいた3月のウェビナーでも「効率的に少人数で組織を作っていきたい」と発言されていました。具体的には、どういった組織を目指されているのでしょうか。

スケーラビリティとスピードの2点を念頭において組織作りをしています。前者については、SaaS企業としての弊社で言うと、ユーザー企業様が増えても、同じ組織規模でなるべく業務を続けられる、スケーラビリティのある組織にしたいと考えています。一件一件、当事者ごとに異なる内容の契約書をレビューしていると、クライアント企業様が増加した場合にマンパワーを増やさない限り対応出来なくなってしまうので、ある程度その工数を抑えられる形で業務を出来るようにしていきたいという思想を、会社としても個人としても持っています。OneNDAも、そのための手段の1つたりうると考えています。

——業務量が増加した場合には、それに応じて従業員数を増加させるという考え方もあり得るとは思いますが、その前に削減できる工数は削減しよう、ということでしょうか。

そうですね。自分たちの業務量を増やすことが目的ではなく、自分たちの仕事をなるべく効率よく進めて、リソースをかけるべきところに集中するのがベストだという意識のもと働いています。業務の効率化という点は、常にテーマとして持っていますね。

——後者のスピードという点については、いかがでしょうか。

弊社では、サービス導入を決定いただいたユーザー企業様に対して、いかに早くサービス提供を開始するかという点を重視しています。
企業様によっては、サービス提供前にNDAの締結を求められる場合もありますが、OneNDAへの参画によりNDA締結の時間を削減することで取引を高速化できるのであれば、セールスや事業全体にとってメリットが大きいと考えています。

OneNDAを利用した業務フロー

——OneNDAの利用実績や業務フローについては、現状いかがでしょうか。

参画企業の印象は、大手よりも小規模企業の方が多いイメージで、利用実績はまだ無いですね。
参画企業か否かをチェックするというステップでは、取引を開始するときに、都度OneNDA参画企業のリストを見るというフローが一番理想だとは思うのですが、参画企業がまだ多くない今の段階では、参画企業がヒットする確率が低いため、リストの確認をフロー化するところまではいっていないのが現状です。
とはいえ、事前にリストに名前があるかをチェックするだけなので、仮に確認フローを入れたとしても、フローが重くなったり複雑になったりはしないとも思っています。参加リストのスプレッドシートもあるため、確認作業の自動化も十分可能だと考えており、腰を据えてフローを整備すれば、手間や複雑化の観点でも問題はないと思います。

—— 統一ポリシーの内容を個別に修正する必要がある以上、業務フローが複雑になるのではという声もいただいているのですが、御社では統一ポリシーを修正することは想定されていますでしょうか?

もちろん例外はありますが、通常の取引であれば統一ポリシーの内容で修正する箇所はありません。大規模かつ重要な取引ではなければ、基本的にはそのまま利用すると思います。この意味でも、業務フローが複雑化することはないと考えています。
一方で、統一ポリシーの内容をそのまま適用させるかの判断を、最終的には法務が担当する形にしたいとは考えています。開示または受領する情報の性質によって、NDAの条件を変更する必要があるケースも想定されるからです。

——事業部門のメンバーが、法務の判断を仰がずに取引や交渉を開始するといったことは、現状では難しそうということでしょうか。

特定の場面については、ありうる話だと思います。弊社の例でいうと、弊社サービス提供の場面でNDAを締結する場合には、統一ポリシーの内容をそのまま適用させるというオペレーションは考えられると思います。
一方で、NDAの締結は、サービス提供以外の様々な場面で多く求められ、統一ポリシーの内容で秘密情報をやり取りして良いかは、法務が検討する必要があると思っています。そのため、事業部門に統一ポリシー適用の適否の判断を全面的に移管するのは難しいと思っています。とはいえ、統一ポリシーの変更が不要なケースを類型化することもできると思いますので、なるべく効率的なフローを構築していきたいですね。

——情報の管理体制については、いかがでしょうか。

弊社では、OneNDA参加前から、NDAを締結する場面では、情報の開示・受領のどちらの立場でも、現場のメンバーが逐一NDAの条件を確認せずとも秘密情報をやり取りできるような条件にしようと心がけています。取引先ごとにNDAの条件を事細かに変えて情報の管理体制を区別することは、事業部門のメンバーにとっては非現実的だと考えているからです。この点、弊社では、統一ポリシーで要求される程度の情報管理体制は取っておりますので、仮に受領者の立場になったとしてもOneNDAへの参加は問題ないと判断しました。
もちろん、より個別的な管理が要求されるNDAが締結される場面では、管理体制も区別して個別にフォローする必要がありますが、通常の場面では、そのようなフォローなく管理できるようにすることを意識しています。

——OneNDAの利用にあたり、現状、工夫が必要だと感じている点はございますか?

OneNDAは、参加企業間では個別のNDA締結行為なく統一ポリシーの内容が適用される、という仕組みだと思います。便利なのですが、それゆえ参加企業間でNDA締結の記録が残らない点が、社内の契約管理や社内外の監査の便宜を考えた時に、デメリットとしてありうると思っています。特に社内外の第三者に対して、OneNDAの仕組みを説明するのが難しいと感じることがあります。
もちろん私は、統一ポリシーの適用条件は十分理解しているつもりですが、社内外の第三者への説明という観点からは、何かしら合意や締結の記録が残る仕組みがあると便利だと思います。
弊社では現状、スプレッドシートで契約書・契約データを管理していますが、そのような管理方法を採用した場合、そこにはOneNDAを利用したケースは表示されません。そうすると、事業部門や監査部門のメンバーが見たときに、NDAを締結していないと誤認される可能性はあると考えています。

事業の成長とリスクのバランスを調整するのがインハウスの仕事

——OneNDAの本格的な利用が進んだ場合のフローなど、部門を跨ぐ業務フローを新たに構築する場合に意識していることはありますか?

使いにくいフローにしないことですね。弊社でも、契約書レビューのフローを定期的に更新していますが、事業部門・法務部門お互いにとって快適なフローに改善していくことを強く意識しています。
法務業務の効率化ももちろん重要なのですが、会社全体の視点で業務を効率化するという観点からは、事業部門のメンバーに余分な手間を掛けさせないことも重要です。両者の適切なバランスを取ってフローを作り、全体最適を実現することが、効率的な業務フローを浸透させるための一番大事なポイントだと思っています。事業部門のメンバーにもメリットを感じてもらえないと、結局は浸透しませんので。

——事業部門の負担にならないオペレーションを構築するために、どのようなステップで業務フローを構築していくのでしょうか?

通常は、法務の方で業務フローの概要を策定した後、事業部門のメンバーにヒアリングを実施してフィードバックを受けています。このフィードバックを踏まえて、法務の方で業務効率と業務リスク(業務フローの変更や簡略化によって生じるリスク)を天秤にかけて最終判断する、というステップを踏んでいます。
電子契約の締結権限について例を挙げると、契約締結迅速化のために契約締結権限を持っていない従業員にもアカウントを付与して、契約の締結代行を認めるという考え方と、決裁漏れのリスクを防ぐために契約締結権限を持っている従業員のみにアカウントを付与し、他の従業員による締結代行は認めないという考え方があるかと思います。リスクをゼロにするという観点からは後者の方が望ましいですが、契約の類型、取引金額、取引スピードの要請等を考慮したときに、一定のリスクを甘受してでも前者を採用するという考え方は十分あり得ると思います。
現代の法務パーソンは、こうした業務リスクの大きさ(インパクトや発生頻度)を適切に判断しつつ、業務の効率化を進めていくことが求められており、そこに大きな価値があると考えています。リスクをゼロにするのは簡単ですが、事業成長に貢献することも法務の大きなミッションの1つですので、両者のバランスをうまく調整することが重要な仕事の一つだと思います。

——ビジネスマンとして、自社の業務を理解しリスクの大きさを正当に評価しながら事業を効率的に進めることが、法務の価値の1つということですね。OneNDAがその一助になっていれば幸いです。本日はありがとうございました!

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植田様にもご登場いただいたOneNDAウェビナーの書き起こしを公開中です!ぜひご覧ください。

https://one-contract.com/webinar/2021-03-24-report/

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ビジネススピードを上げつつ相互に理解し合いながらやり取りを行うのがOneNDAの目指す姿。 https://one-contract.com/cases/nomura-estate/ Wed, 08 Dec 2021 08:33:00 +0000 https://one-contract.com/?p=48

今回は、「OneNDA」プロジェクト(以下「OneNDA」)をローンチ後すぐにご参画いただいた野村不動産株式会社 法務コンプライアンス部 海外法務課(課長)の黒田健介様に、参画の理由や背景、契約業務のこれからについてお聞 […]

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今回は、「OneNDA」プロジェクト(以下「OneNDA」)をローンチ後すぐにご参画いただいた野村不動産株式会社 法務コンプライアンス部 海外法務課(課長)の黒田健介様に、参画の理由や背景、契約業務のこれからについてお聞きしました!

スピーディに秘密情報をやり取りできるようになると思った

——本日は宜しくお願い致します! まずは、どこでOneNDAをご存知になりましたか?

 Hubble(OneNDAの運営主体である株式会社Hubble(以下「Hubble社」)が提供するサービス)のトライアルをしているときに、メルマガでOneNDAについてのお知らせを受け取ったのがきっかけです。

 ——メルマガでOneNDA開始の通知を見て、最初はどのように思いましたか?

第一印象としては「取引当事者双方がルールを認識しつつ、より迅速に取引を開始できる状態をつくる」というコンセプトに共感できるところがあり、良いプロジェクトだなと感じました。その後、コンソーシアム参加規約の内容を確認したり、何度かHubble社とやりとりをして疑問点を解消し、自部署内でも協議のうえ、参加に至りました。

——具体的にどのような点について、良いプロジェクトだと思われたのでしょうか?

会社や事業によって異なるとは思いますが、私の場合、過去のある職場では一日一本以上NDAの相談が来るような状況があり、いかに業務を効率化するかということに日々悩んでいました。もちろん、NDAは秘密情報の取扱いに関する大事な契約ではあるのですが、レビューや相談では毎回似たような指摘をしている印象が否めませんでした。NDAの締結を効率化したいと思い、実際に組織としても個人としても工夫してきた経験があったので、OneNDAのコンセプトには非常に共感できるところがあり、OneNDAに参加すれば今までよりもビジネスのスピードを上げることができるのではないか、と考えました。

——NDAの締結までは、平均してどれくらいの時間がかかるものなのでしょうか?

契約内容にもよるのでケースバイケースだと思いますが、内容ついて修正・交渉が必要になる場合は、締結まで早くても1~2週間はかかるのではないでしょうか。

どういう社内フローにすれば事業部門に負荷がかからないか

——OneNDAに参画しようと決めたのは、どういったタイミング・理由でしょうか?

参加規約にあるとおり、参加したからといってOneNDA統一ポリシーの利用を強制されるわけではないので、参加したとしても特にデメリットはないのではないかと考えました。むしろ、このような新しい取り組みに参加することで何か有益な情報を得られるのではないか、そちらのメリットのほうが大きいのではないかと考えました。もっとも、実際にOneNDA統一ポリシーを適用しようとする場合の社内手続きや業務フローをどう整理していけば良いか、というのが今後の課題ではあります。

——OneNDAを適用する場合の業務フローの整理ができていないというお話でしたが、現時点ではどれくらい検討が進んでいますでしょうか?

現時点(2021年10月時点)では、参加企業の中で当社がNDAを締結する機会のある企業様はまだ多くないのではないかと思っています。より多くの企業が参加されれば、OneNDA統一ポリシーを利用する機会が出てくるのではないかと期待しています。
残念ながら今のところNDA締結の場面でOneNDAの名前が社内で上がったことはありませんので、今後実際にOneNDAを利用しようという話が出てきたタイミングで、社内手続きの運用について本格的に検討しようと考えています。「走りながら考える」ということで(苦笑)。
実際にOneNDAを利用するか自社書式(もしくは相手方書式)を利用するかを決める際には、できるだけ契約締結部署に負荷をかけない運用にしたいと考えています。

OneNDA?自社ひな形?

――実際にOneNDAと自社ひな形とで、どのような場面で使い分ける必要が生じるのでしょうか?

例えば当社から不動産に関する物件情報を開示する場合は、当社の事前同意なしに物件の利害関係者(所有者や管理業者等)に対して問い合わせ等をしないでください、という条項を定めるようにしています。そういうケースでは、OneNDA統一ポリシーをそのまま使うことは難しいと考えています。

——業界ゆえの特殊性、ということでしょうか。

そうですね。ただ業界としての特殊性は他の企業でもありえると思います。どういう場合にOneNDA統一ポリシーを使用できて、どういう場合では使用できないか、というケースバイケースでジャッジする必要があると思っていて、そのプロセスをどう構築するかは悩ましい課題だなと思っています。

大事なのは、法務部門・事業部門との関係性

——少しお話は戻りますが、OneNDAへの参画にあたり、上長への提案や稟議・決裁はスムーズにいったのでしょうか。また、どのように提案されましたか。

スムーズにいったほうだと思います。提案や稟議などでどこを強調するか・気にするかは、企業や人により異なると思いますが、私の場合は、参加は無料でデメリットが特にない(OneNDA統一ポリシーの利用を強制されるわけではない)、むしろ参加することで情報を得られるというメリットがある、という点を強調して提案しました。
提案・稟議のスムーズさに関していえば、上長との関係性や組織の雰囲気も関係してくると思います。私は当社に中途入社しており、新しいことを提案することを期待されていたので、当時の部長には比較的カジュアルに新しいことを提案しやすい環境でした。そういう意味では運が良かったとも思います。

——提案の内容というよりも、法務部の関係の良好性が影響したような感じでしょうか。

それもあると思います。一般的に法務部門は保守的な面もあるでしょうから、デメリットがないなら新しいことに挑戦しよう、という発想が受け入れられないケースもあるかもしれません。

——黒田様の方で、上長や他の法務部門のメンバーとの関係を良好に保とうとして、工夫されていることはありますか?

この点については日々試行錯誤の連続で、チームビルディングやコーチングに関する参考書を読んで「いいな」と思ったものを実践しては失敗して次に活かすということを繰り返している気がします。最近は「心理的安全性を高める」というキーワードを念頭に、比較的若い年次やまだ経験が浅いメンバー・中途入社のメンバーでも発言しやすい環境を作るように意識しています。新しくて面白いアイディアが気軽に飛び交っていて、マネジメント層がしっかりそれを傾聴して実現に向けて取り組んでいる、そういう組織でありたいです。
例えば、これは同僚の発案ですが、社内のビジネスチャットで雑談チャンネルを設けて、そこでは会社の話は一切NGという取り決めで雑談をしたり、定例会議の冒頭では必ず雑談をするようにしたりしています。他には、自分の失敗談も隠さず話したり、文字で伝えるのが難しいと感じることについては対面や電話で話したりすることも意識しています。OneNDAへの参加もそうですが、私自身が新しいことにチャレンジする姿も見せるようにしています。

——かなり風通しの良さそうな職場ですね。事業部門のメンバーとの関係に関してはいかがでしょうか?

その点に関しては、私のZoomの背景画面に表示している、法務コンプライアンス部の掲げるスローガンをご紹介したいです。これは、我々法務コンプライアンス部で大切にしている価値観・姿勢を表したもので、数年前に当時のメンバー全員で合宿をして作り、受け継いできているものです。

この中に「生み出す法務」、「共に歩む法務」というものがあります。これは「事業部門等の他部署が抱える課題を一緒に解決する姿勢で仕事をしよう」ということを意味していて、「法的リスクを伝えるだけの評論家でいるのはやめよう」とか、「コワモテ法務ではなくモテモテ法務になろう」といった姿勢を表しています。ビジネスを前に進めるためにどう貢献できるか、という目線で仕事をした方が断然おもしろいですし、そうでないと存在意義がないのではないか、社内からも頼りにされないのではないか、という思いが以前よりずっとありました。

コロナ禍の前は事業部門のフロアで一緒に仕事をしたり、コミュニケーションの際はできるだけ法律用語は使わず、ビジネスの言葉で話すようにするなど、法務へ相談する際のハードルを下げることを意識して取り組んでいました。そういった地道な積み重ねの結果か、私のチームが支援している海外事業部門のメンバーからは「法務らしくない」という、嬉しいのか嬉しくないのかよくわからない言葉をもらうこともあります(笑)。

これからの契約業務のあり方

——最後に、これからの契約業務の在り方についてご質問させてください。OneNDAの参画企業数が増えると、今後NDAの締結についてはどのようになっていくとお考えでしょうか。

参加企業数が増えて、OneNDAの知名度も上がってくれば、自社の契約締結部署において「この相手企業はOneNDAに参加しているし、OneNDA統一ポリシーの契約内容で問題がないから、個別のNDA締結は不要にしよう」という発想をもってもらえるのではないか、それによってビジネススピードを上げつつお互いが契約内容を理解しながら秘密情報のやり取りを行うという状態が生まれるのではないかと思っています。それがOneNDAコンソーシアムの目指す姿だと理解しています。

——黒田様のそのお考えは、どういった体験から生まれたものなのでしょうか。

会社によっては、契約の締結については基本的には必ず法務の承認を得なければならないという運用がなされている会社もあるかもしれません。その良し悪しは一概には言えませんが、もし契約締結部署のメンバーが「法務のお墨付きを得ておけばどんな内容の契約でも良くて、逆に法務のお墨付きが無ければ契約できない」という考えを持ってしまっているのであれば、それは「契約締結部署のメンバーが自分たちの仕事に関する契約であるにもかかわらず、その内容を理解しようとしない」ということでしょうから、非常に残念ですし危険だと考えています。私の過去のある職場での話ですが、そういった運用・風土を変えたくて、もちろんどんな相談でもウェルカムですよというオープンな姿勢を示すことは大前提としつつ、例えば稟議が必要になるような重要な契約については法務の承認を必須とし、それ以外の契約について法務の承認は不要とする、とった運用をした経験があります。

——契約締結のスピードという観点でいうと、同じく契約業務を効率化するリーガルテックについてはどのようにお考えでしょうか。

契約業務全体で見ると、そこに関連する情報システムがバラバラで、まだまだ連携できる余地がある、という印象があります。相談受付、契約書レビュー、社内決裁、電子契約締結、締結後管理といった各フェーズがシステム的にうまく連携されるようになると、業務上のミスも防げて業務がより効率化されるのでは、と考えています。法務部内だけでは完結できない部分も多いので、例えばスモールスタートで早い段階で目に見える成果が得られそうなものから始めて、他部署での共感を広げていく、といった工夫も必要と思っています。

——契約は法務で閉じるものではないですもんね。弊社としても、企業全体にとって使いやすいものになるようにサービスを改善していきたいと思います。本日はありがとうございました!

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【書き起こし】OneNDAの過去・現在・未来 https://one-contract.com/webinar/2021-09-24-report/ Tue, 28 Sep 2021 09:28:00 +0000 https://one-contract.com/?p=146

2021年9月16日に、OneNDAプロジェクトローンチ1周年を記念して、OneNDAプロジェクト誕生の背景やOneNDAのこれまで・これからをテーマにしたウェビナーを開催しました。 本ページでは、そのウェビナーの内容を […]

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2021年9月16日に、OneNDAプロジェクトローンチ1周年を記念して、OneNDAプロジェクト誕生の背景やOneNDAのこれまで・これからをテーマにしたウェビナーを開催しました。

本ページでは、そのウェビナーの内容を書き起こしております。
(書き起こしにあたり、内容を一部補完・改変しています。)

酒井 智也

弊社は、リーガルテックの領域で事業をしております。その中の1つが、契約業務の効率化に着目したプロダクトであるHubbleの提供です。これは、既存のツールとなじみがいい、「必要最低限の変化で最大の効果」をもたらすクラウド型の契約管理サービスです。

弊社ではもう1つ、OneNDAというサービスも提供しております。本日は、リリースから1年を記念して、改めてOneNDAのこれまでや今後の展望について、対談形式を一部交えてご説明させていただきます。

◆OneNDAの概要紹介

OneNDAを一言でいうと

酒井 智也

OneNDAとは、一言でいうと、「NDAの統一規格化を目指すコンソーシアム型のプロジェクト」です。少しイメージしづらいかなと思いますので、より具体的な業務フローに即してご説明します。

酒井 智也

何か取引を開始する場面を想像してください。取引開始前に情報を開示するときはNDAを締結していると思います。語弊を恐れず言うと、我々はこの締結作業をなくしたいと考えております。そして新たに秘密情報に関する取り決めを定めるのが、OneNDAというプロジェクトです。

酒井 智也

すなわち、これまで取引開始前に締結されてきたNDAを一本化し、賛同するだけで、お互いがルールを把握し、迅速に取引が開始できるフェアでスピーディーな世界を目指しています。

なぜ、統一規格化を目指しているのか?(OneNDA誕生の背景)

酒井 智也

なぜOneNDAで統一規格化を目指しているのかについて、統一規格化の必要性と許容性に分けて説明します。

酒井 智也

まず必要性について、いわゆる慣習的に締結されてきたNDAに関しての非効率性や非生産性を解決したいという背景があります。すなわち、NDAは数も多いし、締結にどれほど意義があるのかわからないものがあると思います。そこで、秘密保持の取り決めをクリアにして、よりスピーディーにビジネスを開始できないかということです。

酒井 智也

次に、なぜ統一規格化できるかというと、そもそも契約書とは、証拠としての意義、行為規範としての意義があります。他方で、実務では慣習的意義の強い契約書も存在するのであり、本契約開始前や取引開始時のNDAについては、慣習的意義の強いものが多いと思います。これについてはよりスピーディーに、ライトに定めることができると考えております。

酒井 智也

ここで、ひな形を作って提供すればいいのではないかというご質問を頂きます。これについては、ひな形を提供することによっては上記の非効率性は解決しないと考えています。

それには、3つ理由があります。

酒井 智也

1点目に、OneNDAではコンソーシアムに参画して統一ポリシーに賛同するだけで統一ポリシーの内容が当事者間に適用されるため、個別の契約締結という作業が一切不要になりますが、ひな形の提供ではそうはいきません。

2点目に、ひな形は修正を予定されており、一つのルール策定というOneNDAの思想とは異なるものになってしまうことが挙げられます。

最後に、少し異なる観点からの説明ではありますが、一つのルールを策定して締結もいらないとなれば、営業部門の方にも一つのルールが浸透し、秘密情報の管理に対する意識が醸成されると思っています。

荒木 克仁

スピードという点について、大企業は自社ひな形を通常有しており、それが修正されることなく締結されるケースが多く、ドラフトやレビューにスピード・コストがあまりかかっていないような印象を持っているのですが、そのような企業にとってもOneNDAに参画するメリットはあるのでしょうか?

酒井 智也

たしかに、そういったご指摘も受けます。しかし、NDA締結業務を前提とする場合、契約書の中身をレビューする以外に、営業とのコミュニケーションや、締結した場合の取引先・有効期間・秘密情報の範囲の管理など、締結前後でも業務が発生します

そのうえ、NDAは数も多いため、管理コストという観点からも、ひな型提供とは違うメリットが大企業にもあると思います。実際、野村不動産などの大企業にもプロジェクトの開始直後からご参画頂いております。

「コンソーシアム」とは何か

酒井 智也

続いて、コンソーシアムの法的構成について説明致します。
このプロジェクトを開始するにあたって、外部弁護士や経産省雛形を作成した方と議論しました。その中で、3つの法的構成が考えられるということになりました。

1つ目が民法上の組合、2つ目が権能なき社団、3つ目が利用規約に基づくサービス提供者とそのユーザーという整理です。

酒井 智也

結論から言いますと、我々は3つ目の法的構成として構成しています。組合は出資要件や共同の事業者性という要件、権能なき社団には多数決原理という要件があります。これがあると、コンソーシアムとしての求心力や団結力があがる一方、参画のハードルもあがってしまうと考えられます。

酒井 智也

我々はこの取組みを通じて、新しいルールを社会に実装していきたいと考えており、なるべく参画のハードルを下げたいという思いがあります。したがって、我々は用規約に基づくサービス提供者とそのユーザーという法的構成で整理しています。

酒井 智也

また、なぜCC方式を採用しなかったのか、というご質問も多くいただきます。CC方式は1対Nの関係を想定していますが、NDAは1体1の関係であるという違いがあります。そのため、CC方式はあまりワークしないと考え、採用しませんでした。

荒木 克仁

秘密情報の開示の場面では、情報開示側が相手に厳しい管理を押し付けることがあり、これは内容の公平さ(フェアネス)に反するのでCC方式はあわないのでは、という点も過去にインタビューでお話していましたね。

なぜHubbleがこれを行うのか?

酒井 智也

なぜ、HubbleがOneNDAを行うのか?というのも良くいただくご質問です。

結論としては、HubbleもOneNDAも、自分たちが実現したい「契約業務の効率化」という単一の目的のために行っているからです。

酒井 智也

Hubbleは、最適な契約書管理・共有システムを提供するサービスです。他方で、契約業務のやり方は各社各様で、大量の契約書を捌くための多様な業務フローが存在します。そのときに、大量に発生する契約書を捌く汎用的なソリューションを提供するだけでなく、大量の契約書を減らすという別のアプローチがあるのではと考えました。

酒井 智也

Hubbleは流れてくる契約を締結後管理まで滑らかに持っていく仕組みを提供するというアプローチ、OneNDAはそもそもの流れてくる契約の本数を調整するという別のアプローチで、契約業務を正しく効率化するという一つの目的を達成しようとしている点に違いはありません。喩えるなら、川の水の流れ方を整えるのがHubbleで、水の量をコントロールするのがOneNDAというイメージです。

荒木 克仁

個人的にも、契約業務の最適化と契約量の調整は発想として異質なものではなく、法務担当者の皆様におかれましても馴染みのある発想に根ざしているものと考えています。

たとえば、定型的でよく結ぶような契約については、ひな形やチェックシートなどを用いることで、ドラフトやレビューの仕方を他の契約と変えて効率化していると思います。この「定型的な契約業務を効率化したい」という発想をOneNDAも持っていて、ただその手法が業務の効率化に留まらず業務フロー自体を変える(なくす)、というところまで行っているという印象です。

酒井 智也

ライトな契約と重たい契約とで運用は分かれるべきだし現実に分かれていて、ライトなものについてはより新しい運用としてOneNDAを利用してみては、ということですね。

◆OneNDAのこれまでの歩み

酒井 智也

次に、OneNDAのこれまでの歩みについて、簡単にご説明させていただきます。

ローンチ後1カ月を経たずして、ネスレ日本株式会社やウォンテッドリー株式会社、野村不動産株式会社にご参画いただき、2020年11月には日経の夕刊の一面に掲載していただきました。

酒井 智也

同年12月には、統一ポリシーの内容を分かりやすくまとめたスマート要約も公開しております。また、今年3月にもFAQを公開した他、ネスレ日本株式会社・ウォンテッドリー株式会社の法務担当者の方々と対談するウェビナーも行いました。

酒井 智也

2021年9月現在では、170社ほどご参画頂いておりますが、まだまだ規模を拡大していきたいと考えております。

(編集者注:こちらの記事をお読みの皆様も、是非ご参画のご検討をお願いします!)

◆今後の展望

近日リリース予定のもの

酒井 智也

我々はOneNDAをより利用しやすいサービスにしていこうと考えております。そこで、他の契約書との棲み分けのため、また営業部門の方々にもOneNDAをご理解いただけるようにするため、ガイドブックを鋭意作成中でございます。

酒井 智也

加えて、参画企業様になぜ参画したのか、参画に当たっての障壁をどうやって乗り越えたかについての導入事例についても作成する予定です。また、HP改善や、ロゴ使用も予定しています。自社がOneNDA参画していることを表明するロゴ使用のご要望も頂いておりますので、ロゴが完成した際にはぜひ各所でお使いいただけるとありがたいです。

OneNDAの将来

荒木 克仁

ここからは、OneNDAの「中の人」が質問するという形式ではありますが、皆様からよくいただく事項について、私が皆様の声を代弁するつもりで、質問していきたいと思います。

将来、参画が有料になることはありえますか?

荒木 克仁

まず、OneNDAはなぜ無料で参画できるのか、今後有料化することはあるのか、という点について、回答をお願いします。

酒井 智也

これはよく頂く質問ですね。新しい社会のルールを定めるとき、有料であればそこに参画するハードルがあがありますし、本来の目的からズレるという点でも違和感があるため、参画は無料であることが必然なのかなと考えており、少なくとも、参画して統一ポリシーを利用するという部分については、有料化するつもりはありません

荒木 克仁

OneNDAプロジェクトが掲げる「内容のフェアネスさ」という点でも、無料である方がなじむのかなと思います。日ごろNDAのひな形を押し付けられている中小企業・個人事業主の方が、フェアなNDAを求めてOneNDAに入会したくても、入会料という点で躊躇させてしまうという現象は、そういう方々にも参画してほしいというOneNDAの思想に反してしまうと言えそうだからです。

酒井 智也

たしかに、内容のフェアネスという観点からも説明できますね。

特定の業界・分野ごとに、内容にバリエーションを設ける予定はありますか?

荒木 克仁

次に、OneNDAの統一ポリシーの内容について、特定の業界・分野ごとにバリエーションを設けるといったようなことは予定していますでしょうか

当事者全員が特定の同じ業界に入っているというような場合には、業界ごとに用意した統一ポリシーが適用される、という仕組みがあった方が、きめ細やかなニーズに対応できて良いのでは、という考えもありそうですが、いかがでしょうか。

酒井 智也

結論として、今はバリエーションを設けることを考えておりません。まずは1つのルールを浸透させるためにベストなものをつくりたいと考えていますし、皆様もそれに乗っかってビジネスを迅速化できるか、トライしていただきたいなという思いがあります。

酒井 智也

また、もし仮に業界ごとの統一規格化のニーズあれば、既にルールになっているのではないかなとも思っています。我々としては、今は1つのNDAを浸透させることにリソースを集中していきたいなと考えています。

NDA以外の契約類型の統一規格化は?

荒木 克仁

ありがとうございます。最後に、NDA以外の契約類型についても、OneNDAのようなプロジェクトを実行することは考えているのでしょうか。

酒井 智也

結論として、OneNDAが軌道に乗れば、他の契約類型でもOneNDAのようなものを作ることを考えています。

今年の初めには、イギリスで同種のプロジェクトである「oneNDA」が立ち上がっており、こちらの方も、類似契約についても統一規格化を図ると宣言しています。

酒井 智也

個人的には、日本という国では、同じ文化・言語を共有し、ハイコンテクストな文脈で合意形成ができていると思っており、諸外国よりこのような取組みが上手くいく見込みがあると考えているので、同種プロジェクトの「oneNDA」には負けたくないなと考えています。

◆ウェビナー参加者からの質疑応答

Hubble社とOneNDA参画者との関係は、サービス提供者とユーザーとの関係であると整理されていますが、FAQでの「ユーザーが利用規約に同意したことをもってユーザー間でも利用規約が適用されることの合意が成立する」という部分(ユーザー間の法的関係)をもう少し敷衍してご説明いただけませんでしょうか。

酒井 智也

結論として、ユーザー間で明示ないし黙示の合意があるという説明になると考えています。OneNDAには参加規約がありますが、その2条1項・2項、さらには統一ポリシーの前段の記述から、統一ポリシーにしたがって秘密情報を管理するという明示または黙示の合意が参画当事者間に存在することになる、と考えています。

参画企業のリストの公開予定はありますか?

酒井 智也

どこかのタイミングでは公開するつもりですが、現状では公開しておりません。参画企業の一蘭を見たいというお声もいただいておりますが、メリット・デメリットを精査し検討しているところでございます。

OneNDAコンソーシアム参画企業でなくても、統一ポリシーをNDAのひな形として利用することはできるのでしょうか。

酒井 智也

HP上で統一ポリシーの内容を公開しており、一部修正が必要ですが、適宜修正の上NDAのひな形としてご使用いただいて差し支えございません。

酒井 智也

また、ひな形の形式に統一ポリシーを整えたものをWordファイル等の形で公開することは現状しておりませんが、近い将来行いたいと考えております。

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【書き起こし】OneNDA 参画企業と考える契約の未来 https://one-contract.com/webinar/2021-03-24-report/ Wed, 24 Mar 2021 09:03:00 +0000 https://one-contract.com/?p=140

2021年3月24日OneNDA 参画企業のネスレ日本株式会社法務部長/弁護士の美馬耕平様(以下「美馬様」)、ウォンテッドリー株式会社法務担当/弁護士の植田貴之様(以下「植田様」)とOneNDA の参画を決めた背景や契約 […]

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2021年3月24日OneNDA 参画企業のネスレ日本株式会社法務部長/弁護士の美馬耕平様(以下「美馬様」)、ウォンテッドリー株式会社法務担当/弁護士の植田貴之様(以下「植田様」)とOneNDA の参画を決めた背景や契約の未来についてディスカッションするウェビナーを開催しました。

2021年3月時点での自分たちの議論を記録として残し、将来、「この当時からこのような未来を構想していたんだ」という振り返りができるよう、ここで書き起こしを残しておこうと思います。

(書き起こしにあたり、内容を一部補完・改変しています。)

◆OneNDA とは

「OneNDA」は、NDAの統一規格化を目指すコンソーシアム型のNDA締結プラットフォームです。
「OneNDA」に参画した企業同士の取引であれば、取引ごとに個別のNDAを締結することなく、「OneNDA」内のルールに基づいて企業活動を進めることができます。これにより、従来個別に締結されていたNDAに関する業務の効率化を図り、迅速に取引することができます。

◆ウェビナーディスカッションの内容

なぜ参画を決めたのか

Hubble酒井

2020年8月のリリース後、すぐに参画を決めていただきましたが、どうしてでしょうか?

ネスレ美馬様

前提として、新しいものが好きということはあります。
もとから従来の慣習にもやもやがありました。NDAは何とかなるはずの領域だと考えていましたが、プロジェクトを見た瞬間に、「これだっ!」と感じました。
特に、以下の二つの観点で魅力を感じました。

ネスレ美馬様

①作業時間を削減
慣習的なものだったり、伝統的内容がほとんどであったり、業界問わず割と普遍的で、要は「秘密を守れ」というところができるなら問題なくまとめることができると思っています。そして、NDAの数が多い企業であれば、削減できる手間は減るであろうし、かつ参画企業が増えれば増えるほど手間はかなり減っていくと考えます。

ネスレ美馬様

⓶締結漏れを防止
実はこちらの方が重要かもしれません。事業部門がNDAを締結しないまま秘密情報を渡してしまうことがあります。そうなると法務は重要な情報がダダ漏れなことに気付くこともできない状況に陥ってしまいます。少ない人数の法務が全て見回りをするわけにもいきません。それが参画企業が増えれば解決されていきます。万が一、NDAの締結なく情報を提供してしまったが、上記のようなことが起こってもOneNDAがあるから大丈夫だということになると考えています。

Hubble酒井

ありがとうございます。
少なくともOneNDA の初期の段階では、これまで締結されてきたNDAがOneNDA に完全にリプレイスされるということよりも、NDAが締結されていない段階での情報開示/受領について、最低限の取り決めがなされている状況を作れるという意味合いが大きいと考えられますね。

Hubble酒井

ちなみに、ネスレ様(のような大企業)であれば、自社のひな型で進んで行くことが多い(ので自社の工数があまりかからない)のではないでしょうか?

ネスレ美馬様

弊社側からひな形を提供できる場面は、半分程度しかなく、事業部門が相手方からひな形をもらってくることも多いので、レビューは必要になることが多い。

Hubble酒井

なるほど。ありがとうございます。
ウォンテッドリー植田さんも、参画の理由など、お聞かせいただけますか?

ウォンテッドリー植田様

当然の大前提として、個人的に新しい取り組みが好きであることがあります。更に加えて、効率的に少人数で組織を作っていきたいので、規格が統一されると自分自身だけでなく決裁に関与するメンバーの工数削減にも繋がるのが大きいです。

ウォンテッドリー植田様

また、SaaSというビジネスモデル的に、開発受託などの類型と比べると自ら秘密情報を開示する場面はそこまで多くないので、OneNDAに参画することでリスクが高まることもありません。

NDA締結漏れの保険になるという発想は当初はありませんでしたが、確かにその通りで、参画企業が増えるほど保険代わりになるだろうと思います。

Hubble酒井

取引を開始するときに、打ち合わせの中で情報を開示して、NDAをバックデートして結ぶということもできるとは思います。しかし、そもそもお互いが秘密保持のについて合意した状態で情報を共有する方が、自然なあり方な気がして、OneNDAにはそういった意義も強いのかもしれません。

業務効率化に関する議論

Hubble酒井

レビューの手間を効率化することにフォーカスすれば、手段としてAIレビューを導入することも考えられるのではないか?
(特にNDAはAIレビューの精度も上がっていくことも想定できるため)

ネスレ美馬様

AIレビューはいくつも試して使っているものがあります。
法務部門のことだけを考えればAIレビューにより手間は削減でき、特に多少難しいものには役立つ印象があります。
もっとも、NDAに限っては契約そのものが慣習的で、さらに重要な修正点も少ないので、レビューそこまで時間がかかっている印象はありません。

ネスレ美馬様

ただ、上記より問題なのは、稟議に時間がかかったり、法務部門と事業部門、事業部門と相手方とのやりとりでどんどん時間が重なることです。
これはAIレビューを使ったところで効率化に限界があるため、コンソーシアムが広がった方が法務部門以外も含めた全体的な効率化になるのではないかと考えます。

Hubble酒井

法務の手間のみならず、契約業務に携わる人全体を考えた場合の全体最適はどのようなものか、という視点は非常に重要ですね。

ウォンテッドリー植田様

AIレビューサービスは、できるだけ自社に有利な結果をサジェストするので、お互いがサジェストどおりに使うとむしろ合意が難しくなるのではないか。

Hubble酒井

確かに、取引開始にあたってNDAを慣習的に締結しようというときに、理論的に存在するリスクをすべて修正して、双方がそれを持ち寄るという方法は、取引を迅速に始めたい場合には向きません。AIレビューは当事者的な立場でレビューするので、より裁判官的な公平な視点が求められるということでしょうか。

Hubble酒井

NDAが増えると、どの取引先とどのような内容で合意したか、実際は把握できないのではないということはないでしょうか?そしてその場合には、契約が取引内容の合意であるという本来的な意義が形骸化してしまっているということにもつながってくると思っています。

ウォンテッドリー植田様

確かに個別の全ての条件を可視化するのが難しいし、記録して追跡し続けるのもとても難しい。

ネスレ美馬様

そもそも、慣習的に締結されていたNDAに関しては、取引ごとに契約内容を可視化することに大きな意義がありません。
NDAの対象となる取引だとしても、秘密保持の対象範囲が細かくて、事業部門が考えるのはどんどん面倒になるし、法務としても重要性が下がっていく。
これだけ覚えておけばいいとなれば、事業部門も把握しやすく、むしろ契約を一つひとつやらない方が契約にフォーカスするようになるという(逆説的な)状況になるのではないか。

社内での具体的な参画意思決定のプロセス

Hubble酒井

規模の大きい組織になるほど、個人の意向だけでは参画できないと思われますが、そのあたりはいかがでしょうか?

ウォンテッドリー植田様

当然、統一ポリシーはよく確認をしました。
情報の受領者となる場合、開示側となる場合それぞれのリスクを評価しました。
弊社だと受領側となることが多いです。統一ポリシーの内容によっては、普段使っているひな型と比べて情報受領のハードルが上がる可能性があるが、今回の統一ポリシーであれば、大きな問題にはならないという判断をしました。

一方で情報を開示する立場になる場合、先方の情報管理のベースラインが下がる可能性があるため、そこも確認しました。
それらを踏まえて大きな問題がなさそうだということで社内の意思決定をもらいました。

ネスレ美馬様

比較的新しいことについては寛容な社風であるので、会社としてもリスクが完全に解明されていなくても価値があるならばやればいいという風潮にはありました。

リスクがあるか、どういうリスクがあるか、どのような問題があるかとどんな効果があるかを純粋に天秤にかけました。

上場企業だと「リスクがある可能性」だけで厳しくなってくるかもしれませんね。

統一ポリシーの中身をチェックして、自社のものとあまりに乖離していなければ大丈夫だという判断をしました。本社が大阪にあるが裁判管轄が東京地裁であるため、そこだけ引っ掛かったが、まぁいいかということになりました。

コンソーシアムに参画するデメリットは、中身が縛られることを除けば、ない。何らかの事情で必要が生じれば別段NDAを巻けばいい。大きなデメリットがないことを経営陣に伝えて、実現しました。

経営陣に伝えた最初の印象は?

Hubble酒井

経営陣に「OneNDA」参画について話した際にはどのような印象でしたでしょうか?

ウォンテッドリー植田様

ネガティブな反応は全くなかったです。コーポレートチームのトップに説明をしたところ、彼の負担が将来的に軽減されることもあり、考えている方向は一緒でした。

ネスレ美馬様

役員会でプレゼンするまでは必要はなかったですし、先ほど話した社風もあり、法務担当が持ってくる時点でOKならば、大きな問題がない限りGOになりやすかったです。

OneNDAの社内での運用ルールについて

Hubble酒井

参画企業かどうかを確認するプロセスが入るというフローの変化は気になりませんでしたか?

ネスレ美馬様

もちろんフローも議論しました。
どうせやるなら会社全体に効果的な取り組みにしたいということで、事業部に確認してもらうのか、法務でやるのかを議論しました。
結論としては、とりあえずは社内に周知した上で、相手方が参画企業かどうかは法務部が確認することにしました。

ウォンテッドリー植田様

弊社ではそこまでフローが固まっているわけではありませんが、いずれにしても締結までのどこかの段階で相手方が参画企業かどうかを確認する必要があります。

現段階ではまだ参画企業が多くないため、事業部にリストを確認してもらうのは非現実的で、法務がやることになります。
リストを見るのが手間といえば手間なので、それを見なくてもわかる仕組みが社内やプロジェクト側で作られればよりスムーズになりますね。

ここが面倒なせいで、実は両方参画企業でOneNDAが適用されているのに、それに気づかないこともありえそうです。

Hubble酒井

今後、ホームページで協賛企業を公開したり、OneNDA参画のマークを作ったりして、どこがOneNDA参画企業なのかが認識しやすい環境を作っていきたいと思います。

今後の契約のあり方はどうなっていくのか

Hubble酒井

今後、「契約」はどのようなかたちになっていくとお考えでしょうか?

ウォンテッドリー植田様

ビジネスの現場でどんどん契約書が規約に置き換わる流れが起きていて、それは今後も進むと考えます。

利用規約の場合は、利用者がなるべくそのまま受け入れられるようなフェアなものを作ることが重要になってくるが、NDAもそういう視点で、お互いにとってフェアな内容にすることが大事なのではないかと思います。利用規約でできているのだから、NDAでもできるはずです。ポリシーをよりフェアな形にブラッシュアップすることが求められるでしょう。

また、法律実務で使われる表現には独特で難解な言い回しがいろいろあるため、同じ条件を念頭においているのに、双方が違う表現をしてしまい、それによって形式的な修正が入るといったことも発生します。可能な限り、表現したいアイデアをシンプルな表現・文言にすることを突き詰めなければなりません。

究極的には、契約条件は文言ではなく、CC(クリエイティブ・コモンズ)のようにマークで表現してもいいでしょうし、インコタームズのようにシンプルな形で類型化するのもありえるでしょうね。

Hubble酒井

どちらもOneNDAの思想と親和性がありますね。
表現って非合理的なところがあり、双方がわかりやすい表現で規定されるべきで、そういう表現でかかれる統一規格があれば便利だと思います。

ネスレ美馬様

契約書は変化させるのが難しい分野だと思います。
契約書は証拠としての役割が重要なので、裁判所がついてきてくれることが必要です。
全員が変われば裁判所も変わらざるをえないので、より多くの人が賛同していくことが必要で、OneNDAはその大きな一歩となりえるでしょう。

もっとも、遠くない未来に契約「書」という形式はなくなり、交渉過程がテクノロジー(ウェアラブル)で残るだけで合意した内容がわかり、裁判の証拠となる未来もありえるのではないでしょうか。

契約書の重要な別の機能として、取引のルールを定めるという行為規範としての意義がありますが、そのあたりも契約書ではないテクノロジカルな解決策があると思います。

Hubble酒井

双方の合意内容を契約書に落としたときに、実情との乖離があったり、表現がおかしかったりして行為規範性が薄れている実情がありますOneNDAはその課題を解決しうるものです。
OneNDA Clubの例のように、テクノロジーが発達して契約書という形で合意を残すという形がなくなっていくという流れがあり、契約の中身が標準化される未来は訪れるのではと期待を込めて思っています。

◆編集後記

今回のディスカッション、そして視聴者様からの反応を通じて、あらためてOneNDA の可能性を感じています。

OneNDAについて、多くの前向きな意見をいただける背景は、日本における契約の特性にあると考えています。我々が普段行っている契約の締結行為は、同一言語同一民族間の、文化背景が似た者同士の合意となることが多くあります。
この場合の契約は、既に共通の認識をもった者同士が、その共通認識を確認することや、共通認識を補助・補完する意味合いが強いといえます。
実際、今回のディスカッション内でも言われたとおり、日常的に取り交わされる契約書には取引実態の詳細を定めていないケース(詳細を定める必要が低い)も多く存在し、特に(一部のものを除く)NDAのように「慣習的意義の強い契約書」についてはこの点が顕著です。

このような特性を考えると、日本における契約は、より一層、個別の契約書締結という方法によらずに、双方の共通認識を確認しておく形でのルールの定め方によって取引を開始していくことは可能であると考えています。

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【3/24 14:00〜】参画企業登壇 | NDAは統一化されるのか? https://one-contract.com/webinar/2021-03-24/ Mon, 08 Mar 2021 08:01:00 +0000 https://one-contract.com/?p=133

OneNDAは、NDAの統一規格化を目指すコンソーシアム型のNDA締結プラットフォームです。2020年11月には日経新聞の一面にも掲載され、注目を集めてきました。この新しい「契約」のかたちであるOneNDAについて、実際 […]

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OneNDAは、NDAの統一規格化を目指すコンソーシアム型のNDA締結プラットフォームです。2020年11月には日経新聞の一面にも掲載され、注目を集めてきました。この新しい「契約」のかたちであるOneNDAについて、実際に参画いただいた企業からお二方をお招きし、その内容についてディスカッションを行います。

開催概要

  • 対象者
    • リーガルテックの情報収集をされている方
    • OneNDAについて、参画を検討されている方
    • OneNDAについて情報収集をされている方
  • 開催日時:3月24日(水) 14:00〜15:30
  • 会場:Zoom(オンライン形式)にて開催 ※申込後、別途ご案内差し上げます
  • 参加:無料
  • 定員:500名
  • 主催:株式会社Hubble
  • 登壇者
    • 植田 貴之 (ウォンテッドリー株式会社 法務)
    • 美馬 耕平 (ネスレ日本株式会社 法務部長)
  • モデレーター
    • 酒井 智也 (株式会社Hubble 取締役CLO)

本セミナーの内容

  1. OneNDAプロジェクトの概要紹介
  2. 会社紹介
  3. 3つのトピックに関するディスカッション
    1. なぜ参画を決めたのか
    2. 社内での具体的な参画意思決定のプロセス
    3. 今後の契約のあり方はどうなっていくのか。
  4. まとめ
  5. 加入のフロー
  6. 質疑応答

お申し込み

本ウェビナーは終了しています。

登壇者プロフィール

美馬 耕平 (ネスレ日本株式会社 法務部長)

経済学部を卒業後、私企業に就職。その後ロースクールに入学し、2013年弁護士登録。いわゆるマチ弁において、一般民事事件のみならず企業法務や刑事事件、家事事件など、幅広い案件を経験。2015年にネスレ日本株式会社へ入社し、同年法務部長就任(現職)。2016年にネスレネスプレッソ株式会社の監査役に就任。また、2021年には、ネスレ日本株式会社のChief Compliance Officer及びChief Privacy Officer就任。

植田貴之 (ウォンテッドリー株式会社 法務)

2012年弁護士登録。2013年より知財系ブティック事務所にて、知的財産、IT、エンターテインメント、コーポレート・ガバナンス、訴訟、その他企業法務全般・一般民事全般に従事。2018年ウォンテッドリー株式会社に参画し、法務組織立ち上げ、法務全般、オペレーション整備、セキュリティ、公共政策、内部監査等を担当(現職)。

酒井 智也 (株式会社Hubble 取締役CLO)

弁護士(67期/第二東京弁護士会所属)。2013年慶應義塾⼤学法務研究科(既習コース)卒業後、同年司法試験合格。東京丸の内法律事務所でM&A、コーポレート、スタートアップ支援・紛争解決等に従事。18年6⽉より、Hubble取締役CLO(最高法務責任者)に就任。

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【45分オンラインセミナー】「OneNDA」とは何か【2月24日(水)14:00〜14:45 】 https://one-contract.com/webinar/2021-02-24/ Wed, 24 Feb 2021 07:49:00 +0000 https://one-contract.com/?p=124

NDAは、ひとつのかたちに。 2020年8月開始のプロジェクト「OneNDA」は 同年11月の日経新聞の一面にも掲載されたことで一層注目を集めています。 新しい形の秘密保持契約「OneNDA」がどのようなものであるか、す […]

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NDAは、ひとつのかたちに。

2020年8月開始のプロジェクト「OneNDA」は 同年11月の日経新聞の一面にも掲載されたことで一層注目を集めています。 新しい形の秘密保持契約「OneNDA」がどのようなものであるか、すべて解説いたします。

開催概要

  • 対象者
    • OneNDA参画に興味をお持ちの方
    • メディアの方
  • 開催日時:2月24日(水) 14:00〜14:45
  • 会場:Zoom(オンライン形式)にて開催
  • 参加:無料
  • 定員:100名
  • 主催:株式会社Hubble

本セミナーの内容

  • OneNDA の取り組みの概要
  • OneNDA の具体的なスキーム
  • コンソーシアムに参加するための方法
  • 今後の展開
  • 質疑応答

講師プロフィール

酒井智也(株式会社Hubble取締役CLO)

弁護士(67期/第二東京弁護士会所属)。2013年慶應義塾⼤学法務研究科(既習コース)卒業後、同年司法試験合格。東京丸の内法律事務所でM&A、コーポレート、スタートアップ支援・紛争解決等に従事。18年6⽉より、Hubble取締役CLO(最高法務責任者)に就任。

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