Tech Inside Drecom https://tech.drecom.co.jp/ ドリコム技術情報 Thu, 25 Dec 2025 04:38:26 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.5 https://tech.drecom.co.jp/wp-content/uploads/2016/03/cropped-site-icon-32x32.png Tech Inside Drecom https://tech.drecom.co.jp/ 32 32 非サーバーエンジニアが挑む、社内AIポータルサイトの立ち上げ https://tech.drecom.co.jp/%e9%9d%9e%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%83%90%e3%83%bc%e3%82%a8%e3%83%b3%e3%82%b8%e3%83%8b%e3%82%a2%e3%81%8c%e6%8c%91%e3%82%80%e3%80%81%e7%a4%be%e5%86%85ai%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%83%ab%e3%82%b5%e3%82%a4/ Thu, 25 Dec 2025 04:38:25 +0000 https://tech.drecom.co.jp/?p=27208 最初に こんにちは!AI部の吉富です。 皆さん、社内へのAI情報発信や浸透はどのように行われていますか?現在、ドリコムAI部では社内向けの「AIポータルサイト」を開発中です。今回は、なぜ今ポータルサイトが必要なのか、そし…

非サーバーエンジニアが挑む、社内AIポータルサイトの立ち上げTech Inside Drecomで公開された投稿です。

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最初に

こんにちは!AI部の吉富です。

皆さん、社内へのAI情報発信や浸透はどのように行われていますか?
現在、ドリコムAI部では社内向けの「AIポータルサイト」を開発中です。今回は、なぜ今ポータルサイトが必要なのか、そしてAI活用推進の立場としてどのような機能を盛り込んだのかをご紹介します。

なぜ今、ポータルサイトが必要なのか

私たちはこれまでも、「AIDAY」などの社内イベントや、チャットツール上の「共有部屋」を通じて発信を行ってきました。しかし、部内での議論を通じて、AI活用をさらに加速させる上で「既存の手段では拾いきれない価値」があることが明確になりました。

1. チャットツールの「成果バイアス」と「埋もれる知見」

Slackなどのチャットツールは情報の即時性に優れていますが、運用していく中で「”成果”としてまとまっていないと投稿しづらい」という心理的なハードルが生まれていました。

  • 発信する側:「うまくいったこと」は投稿できるが、試行錯誤中の「失敗」や「小さな発見」は投稿を躊躇してしまう。
  • 受け取る側:完成された成果物以外に対して、どのようなリアクションを返すべきか迷うことがある。

しかし、AI開発において本当に価値があるのは、成功した結果そのものよりも、「1つの成果が出るまでの過程(失敗談、プロンプトの工夫、エラーへの対処)」にこそあります。チャットという「フロー型」のツールでは、こうした貴重な「過程の知見」が流れてしまい、後から検索して再利用することが困難でした。

2. イベント発信の「タイムラグ」

また、社内イベントでの共有も重要ですが、開催準備や時間の制約があるため、日進月歩で進化するAIのスピード感に情報の鮮度が追いつかないという課題がありました。都度しっかりとした資料を作るコストも無視できません。

結論:「過程」を「ストック」する場所を作る

そこで我々は、チャットのように流れてしまわず、かつ資料作成のような高コストもかけずに、「日々のニュースや検証の過程(プロセス)を、可能な限り”楽”にストックできる場所」として、社内ポータルサイトの構築に至りました。

開発・運用思想:徹底して「楽」を追求する

「過程」をストックするためには、投稿のハードルを極限まで下げる必要があります。そこで、開発手法はもちろんのこと、稼働後の「サイト運用」においても最大限にAIを活用し、徹底して「楽」ができることを重視しました。

🛠 今回のTech Stack

  • 開発支援: Claude Code (Model: Claude Opus 4.5)
  • インフラ: AWS Amplify (Gen 2)
  • サイト内生成AI: Gemini 3 Pro Preview / Gemini 3 Pro Image Preview

1. 「開発の楽」を満たす技術選定:Agentとの親和性

実は私自身、元々はクライアントサイドのエンジニアとして開発業務に従事しており、サーバーサイドの環境構築を0から100まで独力で設計・実装した深い経験はありません。

そんな「非サーバーエンジニア」の私が今回重視したのが、AI Agentによるバイブコーディングとの親和性です。

開発プロセス自体にClaude Codeを利用し、可能な限りAI主導のコーディングに委ねるスタイルをとっています。そしてデプロイ先にはAWS Amplify(Gen 2)を採用しました。

Amplifyには amplify/data/resource.ts などにデータモデルをコードとして定義することで、DynamoDBなどのリソース構成を一括で行ってくれる機能があります。これにより、以下のフローが可能になります。

  1. Agentによる定義:人間がAWSコンソールを操作するのではなく、AI Agentにデータモデルのコードを書かせる。
  2. GitHub連携:生成されたコードをリポジトリにプッシュする。
  3. 自動構築:Amplifyがコードを読み取り、デプロイからDB構築までを一貫して自動反映する。

この構成であれば、人間が手動でインフラを詳細設定することなく、「コードを書く(書かせる)」ことだけに集中できるため、専門的なサーバーサイドの知見が不足していてもスムーズな立ち上げが可能となりました。


2. 「運用の楽」を満たすAI機能の実装

ポータルサイトを作っても、記事を書くのが面倒で更新されなければ意味がありません。そこで、コンテンツの「生成」と「検索」にGoogleの最新モデル Gemini 3 Pro シリーズを組み込んでいます。

📝 AIによる記事生成アシスト
通常の手動投稿に加え、AIを利用した記事作成機能を実装しました。「箇条書き」などの簡単なメモを入力するだけで、Gemini 3 Pro Previewが一瞬で記事の下書きまでを作成してくれます。

🎨 オンデマンド画像生成
記事のアイキャッチや挿入画像の準備は意外と手間がかかるものです。そこで、画像のアップロード機能に加え、Gemini 3 Pro Image Previewを活用した生成機能を搭載しました。
記事の内容や自然言語プロンプトから、その場で画像を生成して貼り付けられるため、素材探しの時間をゼロにできます。

🔍 AI検索(検討中)
現在はキーワードやタグ検索が主ですが、将来的にはサイト内の蓄積された情報をAIで検索・要約して回答する機能の実装も検討しています。

まとめ

このポータルサイト開発における最大の収穫は、開発から運用までのあらゆるフェーズで「AIに任せる」という選択肢が実用的になっていると実証できたことです。「書くのが面倒」「作るのが大変」というボトルネックをAIで解消することで、本当に価値ある「知見の中身」に集中できる環境が整いました。

そして、この環境は私たちエンジニアが「作れるもの」の範囲も劇的に広げてくれました。サーバーサイドの専門家ではない私でも、Agentと最新モデルを組み合わせることで、ここまでのシステムを短期間で構築し、運用に乗せることができています。

今後もこのポータルを通じて、「成果」だけでなく「過程」の知見が自然と集まる仕組みを磨き込み、社内のAI活用をさらに加速させていきたいと思います。

非サーバーエンジニアが挑む、社内AIポータルサイトの立ち上げTech Inside Drecomで公開された投稿です。

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技術書典19に個人で本を出してみた話 https://tech.drecom.co.jp/%e6%8a%80%e8%a1%93%e6%9b%b8%e5%85%b819%e3%81%ab%e5%80%8b%e4%ba%ba%e3%81%a7%e6%9c%ac%e3%82%92%e5%87%ba%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%81%9f%e8%a9%b1/ Mon, 15 Dec 2025 00:30:00 +0000 https://tech.drecom.co.jp/?p=27182 こんにちは、インフラソリューション部のひらしーです。 2025年11月に開催された「技術書典19」に、サークル「Hiracy Works」として個人で初参加しました。頒布したのは「EKS Auto Modeで構築するn8…

技術書典19に個人で本を出してみた話Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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こんにちは、インフラソリューション部のひらしーです。
2025年11月に開催された「技術書典19」に、サークル「Hiracy Works」として個人で初参加しました。
頒布したのは「EKS Auto Modeで構築するn8nセルフホスト環境」という本です。
今回の記事では、その出展までの道のりや当日の様子を振り返り、「1人で技術書典に参加してみたいけど、大変かな?」と迷っている方の参考になればと思っています。

技術書典とは

技術書典は、エンジニアやクリエイターが自分の技術的な知見や経験を同人誌として頒布する、技術書に特化した即売会イベントです。技術系の同人誌即売会としては最大級の規模で、多種多様なジャンルの本が一堂に会します。
オンライン頒布とオフライン会場(リアルイベント)が組み合わさっているのも特徴で、会場で実際に読者と会話しながら本を手渡せる一方で、当日足を運べない人にも通販を通じて届けることができます。
また、個人・小規模サークルでも比較的参加しやすく、初参加でも運営のガイドやバックアップ印刷所、備品の提供などが整っているため、「一度自分の本を作ってみたい」という人にとって良いチャレンジの場になっています。

参加のきっかけ

普段の業務や個人開発で触れていた「Amazon EKS」と、その基盤上で「n8n」をセルフホストする方法について、あまり公開された情報がなかったため、本にまとめてみたいと思いました。
また、『自分が作ったモノを売るイベント』を経験してみたいという思いもあり、技術書典への参加を決めました。

執筆・制作

執筆環境

原稿作成には、技術同人で広く使われているマークアップベースの執筆ツール Re:VIEW を使いました。
また、Re:VIEW向けの書籍制作テンプレートである TechBooster/ReVIEW-Template をフォークし、紙面・ページフォーマット設定やPDF出力タスクを再利用しつつ、GitHub Actionsで原稿更新後すぐにPDF生成して確認できるようにしました。

表紙作成

表紙デザインはエンジニアが技術書を作る上での大きなハードルの一つですが、最近では有償・無償を問わず優れたツールがあり、技術書ならではのシンプルな表紙でも十分通用すると思います。
ただ、注意点としては素材やフォントの著作権・ライセンスを必ず確認すること。生成AIで画像を作る場合でも、元データの取り扱いや商用利用可否が明示されたサービスを選び、引用元がある場合は本文や奥付でクレジットを入れるなど、権利者へのリスペクトを忘れないようにしましょう。
また、「ジャケ買い」という言葉もあるように、表紙デザインは読者の購買意欲に大きく影響するため、可能であればデザイナーに依頼するのも良いでしょう。

スケジュール管理

執筆用の Re:VIEW-Template リポジトリをフォークしたのが 2025 年 7 月末で、原稿の最新コミットが 10 月中旬でした。おおよそ 2.5 ヶ月間で 98 ページを書いたことになり、結果的には「ほぼ 1 日 1 ページ」くらいのペース感でした。
進め方としては、平日・週末を問わず、基本的に毎朝 1 時間を執筆時間として確保するスタイルを取りました。実際には本の内容に関する調査・検証や、慣れない表紙デザインの調整にも時間を割いていましたが、「毎日少しずつでも手を動かす」という習慣を作れたことは、執筆を最後まで続けるうえでかなり効果的だったと感じています。

入稿・印刷

技術書典はバックアップ印刷所が充実しており、私もこちらを利用させて頂きました。
紙の本の作成は初めてだったので、トンボや塗り足しの設定、表紙のカラーモードなど、慣れない点も多かったのですが、事前に紙質や色味のサンプルを取り寄せて確認したことで、無事に入稿を完了しました。

イベント当日

当日の準備

技術書典は初参加だったのですが、かんぜん手ぶらセットというほぼ備品を用意せずに設営できるサービスがあったため、本当に助かりました。
ただ、さすがに1人での参加は厳しいと思ったため、事前に2名ほどエンジニアの仲間を誘い、交代でブースを見てもらえるように調整しました。

設営

イベントの設営は初めてでしたが、隣のブースを参考にしつつ、見よう見まねで進めました。本の陳列やサンプル、ホワイトボードに書いたキャッチコピーの配置などは、実際にお客さんの動きを見ながら、開催中も少しずつ調整していきました。

実際に自分の本を売ってみて

本の内容に興味を持ってくださった方が、真剣に質問や感想を伝えてくれるケースが多く、とても刺激になりました。
また、直接のフィードバックをもらえることで、自分の知識や経験が他の人に役立っていることを実感できました。

振り返り

準備は早いに越したことはない

印刷所への入稿が早いと割引を受けられることも多いのと、余裕を持った執筆が内容の質向上につながるため、早いに越したことはないです。
ただ、例えば生成AI関連のように、技術の進化が早い分野の場合は、内容が古くなってしまうため注意が必要です。

最後まで誰の手も借りずにできるか

自分の場合は初参加でイベント会場の雰囲気も分からなかったため、手伝ってもらいましたが、隣のブースの方は1人で参加されていました。
1人参加の場合は、昼食や休憩、他のブースを見回るタイミングが難しいため、可能ならば複数人で参加するほうが良いと思いました。

技術書典で売れる本の考察

あくまでも、個人的な考察ですが、技術書典で売れる本には以下のような特徴があると感じました。

  • ニッチ過ぎない
    • 技術書典イベントに参加する方は老若男女様々でした。感覚として新しい技術やツールに興味を持つ人が多いため、入門書的な内容が好まれると感じました。
  • 市販本との差別化:
    • 逆に個人の経験にもとづく「誰もこんなことは市販本で書かない」感が強い本は、技術書典ならではの魅力になると思いました。
  • 著者及びサークルのブランド力:
    • 継続的に良質な本を出しているサークルや、有名な著者のブースは行列ができ、売り切れも出ていました。

おわりに

技術書典は、自分の持つ技術の分野に興味を持つ多くの人々と直接交流できる貴重な機会であり、知識や経験を共有する素晴らしい場です。1つの本を作り上げる大変な面もありますが、準備をしっかり行い、周囲のサポートを得ることで、充実した経験が得られると思います。
興味がある方は、ぜひ挑戦してみてください。

技術書典19に個人で本を出してみた話Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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デザイナーの業務効率化のための「AI活用アイデア」 https://tech.drecom.co.jp/%e3%83%87%e3%82%b6%e3%82%a4%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%81%ae%e6%a5%ad%e5%8b%99%e5%8a%b9%e7%8e%87%e5%8c%96%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%80%8cai%e6%b4%bb%e7%94%a8%e3%82%a2%e3%82%a4%e3%83%87%e3%82%a2/ Wed, 12 Nov 2025 03:00:40 +0000 https://tech.drecom.co.jp/?p=27100 こんにちは、ドリコムAI部・デザイナーの相澤です。ゲーム開発の現場ではデザインやアートディレクションの業務を行っていますが、現在はAI部でAI活用促進のためのチームで活動中です。 近年、AI技術は急速に進化し、様々なビジ…

デザイナーの業務効率化のための「AI活用アイデア」Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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ゲーム開発の現場ではデザインやアートディレクションの業務を行っていますが、現在はAI部でAI活用促進のためのチームで活動中です。

近年、AI技術は急速に進化し、様々なビジネスシーンで存在感を増しています。

『画像生成AI』というカテゴリでも「Midjourney」や「Stable Diffusion」、Adobeの「Firefly」、直近では「FLUX.1」「Seedream 4.0」「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:Nano Banana)など、AIの進化が大きな注目を集めています。

AIの登場を「仕事が奪われる」という脅威としてとらえる声もありますが、私たちはAIを「創造性を加速させる新しいパートナー」となり得る可能性を秘めているととらえています。

今回は「AI技術」をデザイナーがどのように業務に取り入れ、効率化やクオリティアップに繋げることができるのか、その「アイデア」をご紹介したいと思います。

なぜ今、デザイナーにAIが必要なのか

デザイン制作には多くの時間や工数を必要とします。

しかし、ビジネスのスピードが加速する現代において、制作サイクルは短縮され、求められるアウトプット量や種類は増加し続けています。

また、日々の業務に追われアウトプットとインプットのバランスが取れなくなることで、「新しいビジュアルの切り口が思いつかない」「マンネリ化する」といった、0から1を生み出す際の産みの苦しみも課題の一つに挙げられるかと思います。

これらの課題を解決するため、「創造性を加速させる新しいパートナー」としてAIの活用方法を検討し、デザイナーがより創造的な業務に集中できる環境を浸透させる必要があると考えてよいでしょう。

AIは『なんでもできる魔法』ではない

AIによる画像生成の黎明期には「AIに指示すれば、完璧なデザインが一瞬で完成する」という理想のイメージが先行していたように思います。

実際には、言語化が難しい微妙なニュアンスや満たすべき要望をAIに100%正確に理解させ、「完成品」として結果を得ることは非常に困難です。

このため、AIを「最終成果物を作るツール」として使うのではなく、特性や得意・不得意を知ることが非常に重要です。

私たちはAIを実用性と制作スピードを両立させるための「手法の一つ」として位置づけ様々な情報を発信していきたいと考えております。

デザイン業務の各シーンにおけるAI活用アイデア

AIはデザインの各段階で作業をサポートしてくれる可能性を秘めているものの、実際の現場では「具体的にAI活用のイメージが湧かない」という声も多く挙がってきます。

また、 画像生成の黎明期には 「Stable Diffusion」などに触れたデザイナーから 「プロンプトが難しい」「細かい調整がしたいけどうまくいかない」などの感想も耳にしました。

現状ではチャット上でAIと会話しながら作業していく感覚に変化してきており、AIとの心の距離もだいぶ近くなった印象があります。

ここでは「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:Nano Banana)を用いた簡単な活用アイデアをご紹介していきます。

アイデアの壁打ち・ビジュアルイメージの視覚化

具体的な指示を入力するだけで、デザインの方向性やラフイメージなど、様々なデザインの「たたき台」を高速で得ることができます。

AIに壁打ち相手になってもらったり、自身では苦手なジャンルの作業やテイストでもイメージを視覚化することが可能になり「発想の幅」を拡大することができそうです。

【例】
・コンセプトアート
・イラスト構図
・キャラクターデザイン/衣装デザイン
・アイテム/アイコン画像
・ロゴデザイン

指定する内容にもよりますが、企画資料や制作に必要な発注指示書などで必要となるグラフィックやデザインに関しては、実用レベルといっても過言ではないかと思います。

素材加工の効率化

「不要な要素の削除」「要素の一部を差し替え」「足りない部分の描き足し」など、今まではPhotoshopなどのツールを用いてデザイナーが手動で行っていた作業も、AIであれば瞬時に対応することができます。

特に「Nano Banana」では、画像編集前後で各要素の破綻が少なく、一貫性が保たれた画像の生成が可能になっているようです。

「変えたい部分以外も変わってしまう」という従来のAIの弱点が克服されつつある状況にあると考えて問題なさそうです。

バリエーション検討作業の効率化

AIに参考の画像を与えることで「ルール」や「トンマナ」を理解し、バリエーション展開作業をサポートしてもらうことが可能です。

「色違い/柄違い」「形状違い」「モチーフ違い」「テーマ違い」「アングル違い」など、具体的にどのようなバリエーション展開を行いたいのか指示を出すことで、自動で画像生成することができます。   

結局、手直しが必要なアウトプットである場合も多いものの「Nano Banana」の登場で飛躍的に精度が向上してきているため、今後さらに時間短縮につながる可能性があると考えられます。 上記にまとめた内容は「AI活用アイデア」の一部になりますが、対応する作業や求められるアウトプット内容次第でもっと様々な切り口が発見できそうです。

デザイナー自身が新しい切り口を見つけ業務を効率化することで、これまで多くの時間を割いていた作業をAIに任せ、より本質的な「思考」や「ブラッシュアップ」などのクリエイティブな業務に集中することができる日もやってくるのではないかと思います。

AIとのコミュニケーションのコツ

AIはデザイナーの意図を 100% くみ取ることはできず、常に最適解をアウトプットできるわけではありません。

しかし、AIに過度な学習や期待を強いることなく、「AIに歩み寄る」ことで、生成結果が飛躍的に向上させることは可能です。

「思ったイメージ通りの画像を生成するためにAIにどう伝えるか」を軸にして、歩み寄りのポイントやコツを簡単にまとめてみましょう。

1. 指示は「具体的」かつ「明確」にする

「素敵な画像を作って」だけでは、AIは何をどう「素敵」にすればよいのか理解できません。 NG例: 「可愛い犬」
OK例: 「夕焼けのビーチで、楽しそうに走るゴールデンレトリバー、ふわふわの毛並み、逆光、温かい光、高精細、写真のような」

何が? (被写体) → ゴールデンレトリバー どうしている? (行動) → 楽しそうに走る どんな? (形容詞) → ふわふわの毛並み、可愛い どこで? (場所・背景) → 夕焼けのビーチ どんな雰囲気? (光、色、感情) → 逆光、温かい光 どんなスタイル? (画風) → 高精細、写真のような

このように、デザイナーの脳内に浮かんでいるイメージを具体的に指示することで、生成結果の精度は向上していきます。

2. 「キーワード」でイメージを補強する

AIは言葉の情報を元に画像を生成します。
そのため、関連するキーワードを多く与えることで、AIがイメージを具体化しやすくなります。

形容詞や名詞、動詞をキーワードとして含めることで、AIは「こんな感じかな」と推測することができ、精度を向上させることができます。

【例】
「猫、毛糸玉で遊ぶ、リビングルーム、日差し、カラフル、無邪気、可愛い、やわらかい、ふわふわ、詳細、クローズアップ、写真」

3. 「スタイル」や「画風」を指定する

写真なのか、イラストなのか、水彩画なのかAIは様々なスタイルで画像を生成できます。
求めているビジュアルの方向性を最初に伝えることが重要です。

例: 写真風、イラスト風、水彩画風、特定のアーティスト風 など
例: 「宇宙を旅する猫、ネオンカラー、サイバーパンク風、デジタルアート、光沢感、高精細」

4. 不要な要素を取り除く

「〜はなしで」「〜ではない」といった、不要な要素を伝えることも、生成結果の精度向上に必要になります。

あらかじめ具体的な指示ができない場合でも、生成結果に対して不要な要素を取り除く指示ができるので、AIと対話しながらトライ&エラーで精度向上を進めることも可能です。

まとめ:AIを「新しいパートナー」として捉える

デザイナーの業務効率化を実現するためには、「AIに仕事を奪われる」と恐れるのではなく、AI「新しいパートナー」として捉える意識を持つことが必要です。

また、人間側がAIの特性を理解し、その能力を引き出すためには「「まずAIに触れてみること」「自身の業務に活かすための切り口を見つけること」が重要なります。

これらの重要な要素を補うべく、AI部では デザイナーの業務効率化のための切り口として、「デザイナーの創造性を加速させるための活用事例」も不定期で発信していければと考えております。

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AIは「スキルの全組み合わせ評価」の夢を見るか?―― 網羅的アプローチの挑戦と次の一手 https://tech.drecom.co.jp/ai%e3%81%af%e3%80%8c%e3%82%b9%e3%82%ad%e3%83%ab%e3%81%ae%e5%85%a8%e7%b5%84%e3%81%bf%e5%90%88%e3%82%8f%e3%81%9b%e8%a9%95%e4%be%a1%e3%80%8d%e3%81%ae%e5%a4%a2%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%82%8b%e3%81%8b%ef%bc%9f/ Wed, 05 Nov 2025 02:00:32 +0000 https://tech.drecom.co.jp/?p=27057 こんにちは。ドリコムAI部の栃木です。 今回は私が取り組んでいる「ゲーム内のスキル・能力の組み合わせをAIに評価させる」仕組みについて、実際のアプローチとそこから見えてきた課題、そして今後の展望について紹介したいと思いま…

AIは「スキルの全組み合わせ評価」の夢を見るか?―― 網羅的アプローチの挑戦と次の一手Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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こんにちは。ドリコムAI部の栃木です。 今回は私が取り組んでいる「ゲーム内のスキル・能力の組み合わせをAIに評価させる」仕組みについて、実際のアプローチとそこから見えてきた課題、そして今後の展望について紹介したいと思います。

背景:長期運用タイトルを悩ませる「組み合わせ爆発」

多くのソーシャルゲームでは、プレイヤーを飽きさせないために、常に新しいキャラクターやスキル、装備などが追加され続けます。これはコンテンツの魅力を維持するために不可欠な要素ですが、開発の裏側では深刻な問題を引き起こします。それは、検証コストの「組み合わせ爆発」です。 新しい能力が1つ追加されると、既存の無数の能力との間で相互作用をチェックする必要があり、そのパターンは指数関数的に増加していきます。人力での検証には限界があり、時として予期せぬ強力な組み合わせ(いわゆる「ぶっ壊れ」)が生まれ、ゲームバランスを損なうリスクも高まります。 この「膨大なパターンの組み合わせ」という課題こそ、AIが得意とする領域ではないか? それが、この取り組みの出発点でした。

最初の挑戦:LLMによる「総当たりシナジー評価」という夢

私たちの初期構想は、シンプルかつ非常にパワフルなものでした。
「新規で開発するスキルの効果をLLMに渡し、既存の全てのスキルとの連携度合いを評価させ、リスクを分析する」

LLMに全スキルのリストを「記憶」させ、新しいスキルが投入された際に「この中で最もシナジーが高い組み合わせTop10は?」「危険な相互作用を起こす可能性のあるスキルは?」といった質問に答えさせるイメージです。これが実現すれば、開発の早い段階で危険な組み合わせを検知し、品質向上とコスト削減に繋がるはずでした。

立ちはだかった「2つの壁」

しかし、実際にプロトタイプを構築し検証を進めると、理想と現実の間にある大きな壁が見えてきました。

課題1:計算量という物理的な壁

「最もシナジーが高いスキル」のような相対評価を行うには、評価のたびに全スキル情報をLLMに渡し、比較させる必要があります。スキル数が数千にも及ぶ長期運用タイトルでは、一度の評価にかかる処理時間とAPIコスト(トークン数)が現実的な範囲を大きく超えてしまいました。

課題2:「見つける」だけでは不十分という本質的な壁

仮に時間やコストを度外視できたとしても、より本質的な課題がありました。それは、LLMの評価の「解像度」です。 現在の仕組みでは、処理性能の限界から「何が」連携するのか(例:スキルAとスキルBの相性が良い)という評価しかできませんでした。しかし、私たちが本当に知りたいのは「どのように」連携するのか(例:スキルAの防御ダウン効果とスキルBの多段ヒットが組み合わさり、特定の敵を瞬殺できてしまう)という、具体的なリスクの中身です。 「何が」だけでは、結局その後の詳細な調査を人間が行う必要があり、コスト削減や品質向上への貢献は限定的でした。かといって「どのように」まで評価させようとすると、さらに多くのトークンを消費し、課題1がより深刻になるというジレンマに陥ったのです。

次の一手:網羅性より「精度と速度」、そして「データ資産」へ

この結果を受け、私たちは「全スキルを網羅したシナジー評価」という当初の夢からは一度距離を置くことにしました。そして、より現実的で、かつ多方面に価値を提供できるアプローチへと舵を切ります。 全スキルデータをRDB、グラフDB、ベクトルDB等から参照できる仕組みを構築し、そこから「どのようにシナジーが高いのか」という深い情報を含めて、必要な組み合わせだけを高速で抽出するという方向性です。 このアプローチの最大の利点は、構築したナレッジベースがシナジー評価以外にも活用できる「データ資産」になることです。

【活用案1】検証(QA)業務の高度化

  • 類似バグの水平展開:
    あるスキルで「特定のステータス異常が効かない」という不具合が見つかった際、データベースに「類似の効果を持つスキルを全て抽出して」と問い合わせることで、同様の不具合を抱えている可能性のあるスキルを洗い出し、効率的な回帰テストに繋げます。
  • 仕様変更時の影響範囲調査:
    「クリティカルダメージの計算式変更」など、ゲームの根幹に関わる仕様変更の際に、影響を受ける可能性のある全スキルを瞬時にリストアップし、テスト計画の精度を向上させます。

【活用案2】企画・バランス調整業務のデータ駆動化

  • 新スキル設計の支援:
    プランナーが「“暗闇”を付与しつつ、味方の“スピード”を上げるスキルを作りたい」と考えた際、データベースを検索して「そもそも類似の効果は過去に存在するか?」「存在するなら、パラメータの相場はどのくらいか?」を即座に把握でき、パワーインフレの抑制や設計工数の削減に繋がります。
  • ゲーム環境の可視化:
    データベース内の全スキルを分析し、「現在、攻撃力上昇バフを持つスキルは何種類あり、その平均値はいくつか?」といった統計情報を出力できます。これにより、キャラクターの追加やバランス調整を、客観的なデータに基づいて行うことが可能になります。

まとめ

「AIに全スキルの組み合わせを評価させる」という壮大な夢から始まったこの取り組みですが、挑戦を通じて、より現実的で応用範囲の広い「スキルのナレ-ッジベース化」という新たな目標にたどり着きました。 まだ道半ばではありますが、このデータ資産が将来的にQA・企画といった部署の垣根を越え、開発プロセス全体の質と速度を向上させる強力な武器になると信じています。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

AIは「スキルの全組み合わせ評価」の夢を見るか?―― 網羅的アプローチの挑戦と次の一手Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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スペックよりも「ワクワク」を。楽しさ起点で推進する、Drecom流AIカルチャー醸成術 https://tech.drecom.co.jp/%e3%82%b9%e3%83%9a%e3%83%83%e3%82%af%e3%82%88%e3%82%8a%e3%82%82%e3%80%8c%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%af%e3%82%af%e3%80%8d%e3%82%92%e3%80%82%e6%a5%bd%e3%81%97%e3%81%95%e8%b5%b7%e7%82%b9%e3%81%a7%e6%8e%a8/ Wed, 29 Oct 2025 10:28:09 +0000 https://tech.drecom.co.jp/?p=26944 こんにちは。株式会社DrecomでAI推進を担当しているAI部の吉富です。 本記事では、私たちDrecomが全社的なAI活用を促進するために行っている、イベント運営とツール環境整備という2つの軸での取り組みをご紹介します…

スペックよりも「ワクワク」を。楽しさ起点で推進する、Drecom流AIカルチャー醸成術Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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本記事では、私たちDrecomが全社的なAI活用を促進するために行っている、イベント運営ツール環境整備という2つの軸での取り組みをご紹介します。

AIを一部の専門部署だけでなく、全社員が当たり前に使いこなすカルチャーをどう醸成していくか、少しでも参考にしていただける部分があれば幸いです。

1. 事例の横展開と相談の場を創出する「AI DAY」

まず、ソフト面でのアプローチとして、隔週で「AI DAY」という社内イベントを開催しています。
このイベントの主な目的は3つです。

  • 社内で利用可能なAIツールの紹介・アップデート共有
  • 部署横断での具体的なAI活用事例の共有
  • AI活用の個別相談・壁打ち
このイベントで私たちが最も重視しているのは、「効率化」というスペックの話ではなく、「ワクワク」という体験価値を伝えたいという想いです。
例えるなら、まだスマートフォンを使ったことがない人に、CPUやメモリの性能を語るのではなく、「このゲームが面白いよ」「このアプリで仲間との会話がもっと楽しくなるよ」と伝えるアプローチに近いかもしれません。

そのため、この場で共有される事例は、「〇%業務効率化」といった指標だけでなく、「AIを使ったらこんな面白いものができた」「面倒だった作業が、まるでゲームを攻略するように楽しくなった」といった、作り手の「ワクワク」が伝わるような内容を大切にしています。

この”楽しさ”の共有こそが、他の社員の「自分も何か作ってみたい!」という自発的な意欲を引き出す最大のきっかけになると、私たちは考えています。

2. 多様なニーズに応えるためのAIツール環境

イベントによる意識醸成と同時に、社員がすぐにAIを試せるハード面、つまりツール環境の整備にも力を入れています。
私たちは、目的別に複数のツールを提供することで、多様なユースケースに対応できる体制を構築しています。

  • ai and
    位置づけ: Drecom独自の課題に対応する自社開発ツール
    汎用ツールではカバーしきれない、当社特有の業務やデータに特化したAIツールです。ゲーム開発を中心とした社内プロダクト開発を支援しています。
  • Gemini
    位置づけ: 全社員の基本的な生産性向上を担う汎用ツール
    Googleの高性能な生成AIです。文章作成やアイデア出しなど、あらゆるシーンでの利用を想定し、まずはAIに触れてもらうためのベースツールとして提供しています。
  • Dify
    位置づけ: 現場主導でのAIアプリ開発を促進するノーコードプラットフォーム
    プログラミング知識のない非エンジニアでも、独自のAIチャットボットなどを構築できるのが特徴です。「現場の課題は現場が一番よく知っている」という考えのもと、各部署が自律的に業務効率化を進められる環境を目指して導入しました。
  • n8n
    位置づけ: 既存業務プロセスへのAI組込みを加速するワークフロー自動化ツール
    AIを単体で使うだけでなく、各種SaaSと連携させて業務フロー全体を自動化するために提供しています。これにより、AI活用を一過性のものから、持続可能な業務プロセスへと昇華させることを目指します。
  • その他にも
    claude code, github copilot, devin, figma make,等、開発現場からのニーズに迅速に対応し、気軽な活用テストの機会を提供できるよう心がけています。

まとめ

本記事では、DrecomにおけるAI活用推進の取り組みとして、「AI DAY」によるカルチャー醸成と、目的別のツール環境整備についてご紹介しました。

AIの全社浸透は、単にツールを導入するだけでは実現しません。地道な情報共有や成功体験の横展開といったソフト面の施策と、それを支える使いやすいハード面の環境整備。この両輪で推進していくことが重要だと、私たちは考えています。

この記事が、何かしらのヒントやご興味を引くものになれば嬉しく思います。

スペックよりも「ワクワク」を。楽しさ起点で推進する、Drecom流AIカルチャー醸成術Tech Inside Drecomで公開された投稿です。

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ゲーム運用における分析データの自動取得BOT https://tech.drecom.co.jp/%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0%e9%81%8b%e7%94%a8%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e5%88%86%e6%9e%90%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%81%ae%e8%87%aa%e5%8b%95%e5%8f%96%e5%be%97bot/ Wed, 22 Oct 2025 01:26:55 +0000 https://tech.drecom.co.jp/?p=26957 こんにちは、AI部の川口です。私はグループ会社のスタジオレックスから出向しておりまして、今回は、スタジオレックスの「ぼくとドラゴン(ぼくドラ)」 でテスト運用中の「分析用データ取得BOT」についてご紹介します 。 これま…

ゲーム運用における分析データの自動取得BOTTech Inside Drecomで公開された投稿です。

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これまでデータエンジニアに都度依頼が必要だった分析データの取得を、AIの力で誰でも簡単に、そして迅速に行えるようにしたこの取り組み。開発の背景から、直面した課題、そしてAIと上手に付き合うための運用ノウハウまで、お伝えできたらと思います。

開発の背景:データ取得の迅速化が急務だった

これまで、分析に必要なデータを手に入れるには、データエンジニアへの依頼が必須でした 。しかし、このプロセスには時間がかかり、迅速な意思決定を行いたい企画担当者や分析者にとって大きなボトルネックとなっていました 。
この課題を解決するため、私たちは「 自然言語(日本語)をSQLに変換するAI」を導入し、専門知識がない人でも迅速にデータを取得できる環境の構築を目指しました 。

Slackで質問するだけ!AIデータ取得BOTの仕組み

私たちが開発したBOTは、Slack上で質問を投げかけるだけで、AIが必要なデータを自動で返信してくれるというものです 。
その裏側のフローは以下のようになっています 。
  1. 担当者がSlackで質問
    • 例:「9月の〇〇ガチャの実行人数は?」といった自然な日本語で質問します 。
  2. AIが日本語をSQLに変換
    • 質問の意図をAIが解釈し、データベースへの問い合わせ言語であるSQLを自動で生成します 。
    • 例:SELECT COUNT(DISTINCT user_id) FROM ...
  3. BigQueryでデータを抽出
    • 生成されたSQLをデータベース(BigQuery)に送信し、データを抽出します 。
  4. 結果をSlackに自動返信
    • 抽出されたデータが、質問が投稿されたSlackチャンネルに自動で返信されます 。
この仕組みにより、データエンジニアを介さずとも、誰でもスピーディーにデータへアクセスできるようになりました。

理想と現実のギャップ:なぜ「ガチャデータ」に特化したのか

当初、私たちは「ゲーム内のあらゆる情報をAIで取得できる状態」という壮大な理想を掲げていました 。例えば、以下のような複雑な質問に答えられる世界です 。 当初、私たちは「ゲーム内のあらゆる情報をAIで取得できる状態」という壮大な理想を掲げていました 。例えば、以下のような複雑な質問に答えられる世界です 。
  • 「特定イベントに参加し、かつ特定のガチャを引いたユーザーの行動は?」
  • 「あの機能とこの機能の相関関係は?」
しかし、開発を進める中で大きな課題に直面しました 。 ガチャやイベントなど、複数の機能を横断したデータの整合性を担保することが非常に困難だったのです 。 また、AIにゲーム内の全てのデータ構造を正確に学習させるには、膨大なコストがかかることも判明しました 。
そこで私たちは、 最も需要が高く、かつデータ構造が比較的安定している「ガチャ関連のデータ取得」に機能を特化させるという判断を下しました 。これにより、実用性と開発スピードを両立させることに成功したのです 。 現在、このBOTで取得できるデータは以下の通りです 。
  • 全ガチャ共通 :売上、消費ジェム数、PU、ARPPU、排出ユニット課金率、売上シェア率
  • 特定ガチャ :ステップアップ/ダーツガチャのステップ毎KPI、スクラッチガチャの交換所情報
  • ユーザー情報 :ログイン日、user_id、level、os、grade_id、課金額

AIと上手に付き合うための「歩み寄り」ルール

AIは完璧ではなく、100%人間の意図を汲み取れるわけではありません 。そこで私たちは、AIに過度な学習を強いるのではなく、「人間側がAIに歩み寄る」ための運用ルールを設けました 。
  • ルール①:名称はIDで指定する
    • ?:「(キャラクター名)ガチャ」の売上
    • ?:「ガチャID: xxx」の売上
  • ルール②:略称や曖昧な表現は使用しない
    • ?:「〇〇ガチャ」の売上
    • ?:「ガチャID: xxx」の売上
これらのルールを設定した理由は、AIに全ての名称や無数の略称を学習させるよりも、明確なルールを決めて運用する方が、結果的に
早く、そして正確にAIを活用できると判断したためです 。

まとめ:AI活用の鍵は「完璧を目指さないこと」

今回のプロジェクトを通して得られた最大の教訓は、 「100点満点ではなくても、これで十分」というラインを見極め、機能を絞り込むこと、そして人間側が歩み寄るルールを設定してAIを使っていくべきだということです 。 この適切な判断をチーム側が行ってくれたことは、私たちAI部としても非常にありがたいことでした 。 今後も、AIを「完璧な魔法の杖」としてではなく、業務を効率化するための「賢いパートナー」として活用していく事例を創出していきたいと思います。

ゲーム運用における分析データの自動取得BOTTech Inside Drecomで公開された投稿です。

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